インドの医学




病気の診断法  病気の治療法 現在のインド

最近、日本でもインド医学の古典「アーユルヴェーダ」が注目を集めています. 紀元前2000年から1000年頃に成立したものと云われています。) 「アーユルヴェーダ」 とはサンスクリット語で「長寿への知恵」という意味 で、積極的に病気を予防するアイデアに乏しい西洋医学の弱点を補うべく 近年特に欧米を中心に再評価が成 されています。 紀元前3000年頃のモヘンジョダロの遺跡から多くの医薬品の原料と 思われる発掘品が出ている事からも、既にその頃からかなり進んだ医学を 持っていたと思われています。 日本では殆ど知られていませんので、少しこの「アーユルヴェーダ」の ご紹介をさせていただきます。 他の国の医学と比べると病気治療以上に養生法や食餌療法に重点をおいているところに特徴 があります。例えば、養生法の代表的なものに沐浴法やその後の特殊なオイル や 軟膏をぬって行うマッサージがあります。 このマッサージは各人の身体状況に即して、頭から足先まで筋肉の一つ一つを もみほぐす独特なもので、近年日本でもエステティックサロン等で インドエステと称して真似られているものです。 それにもちろんインドと言えばヨガが大変有名ですね。食餌療法は特に発達していたようです。 医師は病状はもとより個人の体質、行動から気候まで考慮した食餌を 細かく体系づけて学んでおり病人に指導します。



病気の診断方法
 
一般的な問診や望診(外見によるチェック)以外に、これは中国医学も同様ですが「脈診」を重要視します。 それから「尿検査」もインド医学から西洋医学の診断に使われるようになった ものです。古代よりインド医学では病気による尿の変化が詳細に研究されてい ました。臭いや色、味まで舐めてしらべました。色々な試薬も使っていたので す。近年、日本でも飲尿療法が話題になりますが、「アーユルヴェーダ」に よると人間はもとより山羊や馬の尿までも人間の病気に高い効果があるらしい のです。山羊や馬をお持ちの方お試し下さい、そして効果のほどご報告宜しく!

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病気の治療法
前記の食餌療法、薬餌療法それに外科療法が発達していました。 薬餌療法は、中国の薬とは処方が違いますが同じく鉱物、植物、動物等 500種類以上が使われます。中国医学の薬同様にその中から成分抽質され現在の 西洋医学の医薬品として利用されているものも多いのです。 外科は、当初は戦争で刺さった矢を抜いてしかるべき処置をする事から 発達したようですが、紀元前6世紀にはブッダの侍医「ジーヴァカ」が 大麻による痲酔で開腹、開胸、頭蓋開孔手術までしていたと記録されていま す。中国にも古代、「華陀」や「扁じゃく」という名外科医がいましたが インドの外科学を導入、応用したものといわれています。 それと紀元前1000年頃には既に顔の整形も日常的にしていたようです。 それからインドといえばヨガが有名です。 これもやはり「アーユルヴェーダ」に基づいて行われるのですが、 病気の治療というよりも健康維持、病気予防が本来の目的です。 しかしその詳細に研究された独特の呼吸法は新陳代謝を盛んにするなど 、その効果も解明は殆どされていません

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現在のインド医学について

広大な面積の国土に多くの人口、そしてその大半がいまだ貧困にあるこの国の では「アーユルヴェーダ」はまだまだ現役で活躍しています。専門の医学校も沢山あります。西洋医学は医師の養成にも、診断機器や医薬品 治療にもあまりに費用がかかりすぎるのです。 一部の金持ちや,上級カースト、大都会住民のものでしかありません。 このことは中国の内陸農村部などともよく似ています。しかし、現実にこの伝統医学が 長い歴史の中で繰り返し研鑽され今も大きな成果を発揮していて 色あせていないからこそ多くのインドの人達の支持があるのです。

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