アラビアの医学




発達、及び隆盛期は7世紀のサラセン帝国の時代です。
ギリシャ、ローマの 古代医学を受け継いで発展させ、そこにシルクロードを経て中国やインドから 伝わった医学も少しずつ織り交ぜたもので独創的な診断法や治療法といった 要素は少ないといえます。しかし錬金術の流行で多くの化学薬品や薬物の抽出法 などを編み出しています。「化学」を意味する「ケミカル」の語源はアラビア語 の錬金術を指す「アル.ケミア」なのです。例えば、アルコール、アルカリ、 カンフル等の用語やシロップやエキスというものも当時アラビアで創られた のです。錬金術が盛んに試みられる過程で蒸留や昇華のような化学操作も 考え出され、化学物質も多く造られました。 現在の西洋医学における医薬品の発達の基礎はこの時期のアラビアの薬品医学 に負うところが多いのです。しかし、度重なる西洋キリスト世界との戦争という形での、負の交流が繰り返され、少しずつ西洋医学に同化、吸収されていき現在に至っています。しかし、インドなど東アジアの国々では「ユーナニー」と呼ばれて今もアラビア医学は受け継がれています。

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