脈診について

インドや中国医学において脈を診ることは決して心臓の状態を診るだけではないのです。全ての臓器(肝臓、腎臓、膵臓、胃腸等)の状態を診断します。考え方はこうです。心臓から拍出された血液は、動脈を通って全身にくまなく行き渡るようになっているのが普通です。ところがある内臓や組織に病変があるとその部分には血液が十分に又速やかに流れなくなります。心臓を出た血液がどの辺りの位置で流れが悪くなっているかを、脈は微妙に変化し、様々な信号を発し表現するのです。 患者の両手首、3カ所づつ、1カ所の脈を3段階に分けて探ります。合計18種類の脈情報から病気の所在、現状予後を診断します。当然、この読みとりは修練を要する難しい技術ですから、西洋医学の脈拍を取って心臓の具合を診るのは、この脈診の解りやすい一部分だけを東洋医学から導入したものなのです。
どの段階の脈が最もはっきり医師の指に伝わるか、

どの様な感じで伝わるかで健康状態を診断します。

 脈診の読みとり方は中国、インド、チベットで微妙に違っています。
気候、風土、人種 などの違いが影響しているのでしょうか。
指の押さえ方 浅い 1段階 2段階 深い 3段階
Aの脈 上腹部(上焦) 大腸  肺 
Dの脈 //  小腸  心 
Bの脈 中腹部(中焦) 胃   脾 
Eの脈   //  肝 
Cの脈 下腹部(下焦) 三焦 心包
Fの脈  // 膀胱
脈診の基本的な診断部位

         

インド医学へ戻る 中国の医学へ戻る

ツボ探検隊へ