この問題に対するいたって個人的なアドバイス PartⅢ  
※引きこもり状態にある方から頂いたメールに対して送信した内容をコピーしています。

次に具体的な引きこもりからの脱出方法について考えてみます。

実を言うと私自身がほとんど他人の価値観を無視して生きている人種なものですから、ひきこもり予備軍」の感覚はよくわからないんです。
(でないと50年以上前に社会的地位の低い職業と思われていた針灸師に親の反対を押し切って勘当同然になってまで成ろうとは思わない)
ではなぜに私が他人の価値観にこだわらないかですが、一言で言えば当たり前のことですが自分の生命、人生を唯一の自分だけの宝だと思っているからです。
「ナンバー・ワン」ではなくて、「オンリー・ワン」ってやつですよ。
私は生来病弱で病床の中で育ってきた子供でしたから、自分と同じような子供達が短い命を終えるのを入院病棟の傍でたくさん見てきました。この幼少の日々が今の私の生き方に影響している事は否めないです。 つまりは ”生きてるだけで儲けもの”って感覚ですね。
子供の頃から元気で毎日を暮らしている人たちも100年後には全員お墓の中に居る訳で、「時間が経てば全ての人間は平等」なんだと幼い頃からいつも感じていました。
その違いはどんだけたくさん笑ったり感動したりしながら生命を得た喜びを実感できるかしかないんだ。 偶然でも、せっかく手にした僅か一回分の命の「持ち時間」を好きなように有効に使わないでどうする? 目いっぱい限りある時間を充実させてこそナンボの人生だといつも思っています。 地球上で発生した生命の中で「人間」に生まれる事の可能性はおそらく天文学的数字分の1に成るのではないでしょうか。

確率的には多くの生命は「昆虫」に成るのが良いところですから、言い換えると地球上の大多数の生命は長い地中生活の後に地上に出てもあっという間に死んで一生を終えるのです。

人間に生まれてももちろん限りある時間しか生きられない訳で、おぎゃーぁ!と生まれた瞬間から死に向かって余命は一日ずつ減り続けているのです。

ネクラな人にもネアカな人にも、どのように生きようが同じように時間(余命)は減っていくのです。
その限りある時間(寿命)を必死になって右往左往する愚かしくも哀しい生き物という点では人間は全員共通です。

だから「昆虫の方が良かった」とか「人間に生まれたくなかった」と言う何人かの「うつ病」患者さんと話した経験もありますが、本当にそうでしょうか?

では地球上で最も能力の高い生き物:人間に生まれてきたことを「幸運」と思える人と「不幸だ」と思う人の違いは何でしょうか?

実際にお聞きしたわけではありませんが、おそらく「不幸だ」と思っている人でも「自分にとっては不幸だとしか思えないが、幸運だと思っている人の存在は認めるにやぶさかでない」と考えているのではないでしょうか。

つまり自分は不幸だと思っている人でも全ての人間が不幸だと思っているとは考えていないと思いますね。 きっと内心では幸福であると言っている人をうらやましく感じているでしょう。

では「人間として生きることが不幸だ」と言う人の生き方と「人間として生まれた幸運を満喫して充足感を持って生きている人」は何がそんなに違うのでしょう。

「自分に自信がない」事を不運と考えて人前に出る事を躊躇する理由の一つに上げる人が多いのですが、実は私が絶対に引きこもれない理由も「自分に自信がない」全くこれに同じです。

むしろ自分に自信が有れば、生来病弱で怠惰な私はわざわざ人の中に出会いを求めて外に出て行かないような気がします。
私が積極的に人を求めて万障繰り合わせて出掛かるのは「ふがい無い自分」が何とか生きていける為のヘルパー或いはサポーターを見つけたいからです。自分史ドラマの助監督探しかもしれません。

人並みの体力も無く「ふがいない自分」を少しでもまともな「甲斐性の有る自分」に変える「自助能力」は、私自身が余りにも「ふがいない自分」である為に全く持ち合わせていないのです。
又月日は流れていますからその時々によって自分の「不甲斐なさ」も変化しますので、前回の「不甲斐なさ」を助けてくれた人も今回の不甲斐なさには無力だったりするのです。
人間はスーパーマンではないので常に同じ人がずっと私のサポーター役を担ってくれるとは限りませんからね。
と言うことで私は生きている間ずっと、その時々の「不甲斐なさ」を乗り切るために「出会い」を求めつづけないといけないことになります。(そして得たサポーターの皆さんの為には事が起これば私は当然全力で尽くします。これは至極当たり前ですが・・)

そのような非日常的な出会いの場を探す行動が同時に多彩な良い人達にも出合える機会をもたらし、結局は多くの人達と楽しい時間を過ごす事も可能になってきます。
(もちろん、キレイ事ばかりが起きる訳では有りませんが四捨五入するとダントツ明らかに常に出会いの場を探す日常生活は実りの方が多いものです。)

でもこれが人間の生き方としてほぼ間違っていないであろう事を私は信じています。
なぜなら私は今多くの人たちに囲まれながら、支えられながらですが、人間に生まれて良かった!、現在の自分は幸福に違いないぞ!・・・と確信を持って言えるからです。


ですから、自信の無さは同じでも結果が正反対になるという事は「自分に自信がないこと」自体は引きこもる絶対条件の一つではない事になりますね。
所詮人間の限りある時間の中ではたった一人では夢を実現したり、充足した楽しい人生を送ることは不可能です。

つまり「孤独」では「人間として生まれた幸運を満喫して充足感を持って生きている人」に絶対に成れないのです。
ですから前記の「人間として生きることが不幸だ」と考えている人は良き出会いを得ていない、つまり積極的に今の自分に必要な人材を探す努力=行動力が足りないのではありませんか?
行動力は生きるために必要な情報をもたらす源でもあります。いつも自分に必要な情報は偶然に棚からは落ちてこないのですから見つけるために外に出るのは当たり前のことですよね。

一人では生きていけないことは誰でもみんな同じ事。
その意味では貴方も他の誰かもどんな優秀な能力のある人も全てイコールです。
そのことをすっきり潔く認めなければいけません。
" I need help " ってね。

自分を不幸だと思っている人とは私に言わせばつまり、自分の人生を自ら開拓する勇気のない人です。幸福な人生や幸福感といったものは「棚からぼたモチ」のように努力しないで待っていれば天から降ってきてゲットできるモノではないのです。
確かにスタートラインは人によって違うでしょうが、もしも努力無しでゲットできるものが多かったならば、そこには何かを得た時の真の深い幸福感は生まれませんから結局はみんな平等です。苦しみが多いほど”ごほうび”をもらった時のうれしさは倍増するのです。

人間の夢はいくら天性の才能に恵まれても叶うとは限らないですね。
夢が大きいほど叶えるには家族を含め、幅広く周囲の手助けが必要です。
家族に恵まれない場合は嘆いているよりも積極的に新しい家族を求めて出かけるべきなのです。
貴方が心を開いて素直な気持ちで探し廻れば必ず探している人はどこかに居ますよ。信じてください。
信じることは脳を安定させ免疫力を強めて人を逞しくしますからね。

生まれつきの才能があり自信にあふれた人でも第三者の援助無くては、夢が実現できないのが現実です。増してや、特別な才能の無い私などじたばたと表を駆け巡らないで家に落ち着いていてはどうして人並みの生活が出来るでしょうか?

今現在の私が曲りなりにも幸福と言えるのは、みんな周囲の人たちのサポートのお陰です。

何度も云いますが、悪い人(自分を守る気持ちが強すぎて相手を攻撃する人)など滅多に居ませんよ。
冷たい人に見えるのは自分のことに精一杯で人にかまっている余裕の無い人だけです。
そんな人でも時が経って再会すると余裕が出来て暖かい人に変わっている場合も多いですよ。

「下手な鉄砲も数打てば当たる」という気持ちで積極的に出会いを求めて新しい世界に入っていって下さい。
つまりは、自信の無さは同じでも結果が正反対になるという事は「自分に自信がないこと」自体は引きこもる絶対条件の一つではない事になりますからね。


「不安」は漠然とした状態が一番スケールが大きく苦しく辛いものです。
その不安の正体をちょうど「イエス」「ノー」クイズのように一つ一つ書き出してチェックしていきます。
そうすると、最終的に自分が一番怖いと持っている状態、一番成りたくない状態、最も恐れている事態が何か?
つまり漠然としていた「不安」の正体が見えてきます。
自分を陥れている「不安」の核心を突き止めるのです。

このように「不安」の対象がはっきりして一つに絞れたら、不安解消の対策を考えるのは難しくないはずです。
後は解消の為にはどんな行動を取るべきかの優先順序を考慮した判断に従って勇気をもって立ち上がればよいのです。
「独断」と「偏見」は賢明な思考と選択の敵のようなものですから、「何が今一番に自分がやるべきことなのか?」「今やらないといけない事は何なのか?」
逆に「今やらないでもっと後に時間を待って実行すればよい結果が有られる事は何なのか?」
優先順位を時間をかけて考えれば、今自分が何をすべきかは必ず解ってくるでしょう。

この様な「優先順序」に従って行動することは我々日本人にとってもっとも苦手な行動様式ですが、人生の中でも節目節目には重要な選択を迫られる時がありますから絶対に必要です。
青年期は毎日が人生の節目といっても良い時期ですよ。

※私の経験から言うと「今どうしてもやりたい事」と「今どうしてもやらねばならない事」はまったく違っている場合が多いですから「優先順序」に従って行動することはかなりしんどいです。


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