★心の問題と薬について ★
名前 =N・Y
性別 = 男性
age = 30to39
メッセージ =
前略  お忙しい中 ひとつ質問があります 私は精神医療に関して疑問をもっているものですが 心の 問題を薬で解決する方法をどう思われますでしょうか 心の問題もいろいろな側面からくると思 うのですが薬で心を麻痺させる精神医療がどうも納得いかないのですが  ご意見をいただきたく思います



 N・Y さんへ
こんにちは ツボ探険隊の松岡です。
大変良いご質問を頂けましたが、どう考えても私の意見を逐一述べていると何処 までも長~く成りそうですので、まず最初に結論を先に言ってしまいましょう。

一時的には「薬は必要である」或いは「薬は有効である」です。
もちろん薬の薬理作用で心の病が根こそぎ癒される事は無いが 一時の「心の松葉杖」には成れると思いますよ。

荒れてざらざらの手にほんの少しのハンドクリームが如何に 有効かですね。 それを薬で心を「麻痺させる」云々と強調するほどに人間の心は強くないはずで す。

薬に一切頼らず病に正面から取り組む潔癖さは、 こと心の問題に関しては必ずしも良い結果を生まないと私は思っています。
ご存知のように心と身体はそれぞれが単独で存在するものではありません。 心が身体を変化させ身体も心を変えてしまいます。

つまり「身体」と「心」の双方向からの悪循環が長く続くと大脳を疲 弊させ大脳に器質的変化(脳細胞の萎縮、壊死 ~ 緩やかな脳細胞の破壊)を 起こしてしまいかねません。
もしそうなると本当にどんな薬も効かない状態に成ってしまいますよ。
「心の病」も早期治療が最も治癒率が高いのは他の病気と同じでしょう。
脳細胞に異常を起こさせる事は人間にとって最もダメージが大きいのですから、 こと「心の病」に限っては薬に頼らない潔癖さはリスクが大きいと思います。

初期の段階での薬物療法は手荒れのハンドクリームと同じように考えて良いので は有りませんか? ハンドクリームにも薬は入っていますが、これを塗ることをとやかく言う人はい ないでしょう? 荒れてざらざらの手をクリームを塗って麻痺させるのはいけないと文句言う人が 居るでしょうか。

ご質問頂いた貴方には失礼かも知れませんが、私の仕事柄「心の問題」~「心の病い」だけを他の 病気から切り離して特別扱いする観念が無いので、ついこの様に思ってしまいま すね。


ここから先は「ツボ探検隊」のページに頂いた「ご質問」と特化して私の考えを 述べさせて貰います。

特に東洋医学では心の病も身体の病も区別はしません。
心身の歪み=ストレスが「首から上の病い」=精神病=になって現れるか、「首から下の病 い」=内臓病=になるかといった認識の違い程度ですね。

もっと判りやすく云うと同じストレスでも「胃に穴が空く人」と「心に穴が空く人」がいる訳です。
問題は 心に穴が空くタイプ(心を病むタイプ)と胃に穴が空くタイプ(内臓を病むタイ プ)の違いは何処にあるのかですね?

もちろん多くは生まれつきの違いと言うか遺伝的要素が大きいのでしょう。

ではこの遺伝子とはどんな性質を持った遺伝子と考えたら良いのでしょうか?

※ここからは完全に私自身の仮説です。

それは東洋医学的な表現でいう「気」のフィールド、英語で表現すると「エネル ギー・フィールド」が上半身に偏ったタイプの人ではないか。

このタイプこそス トレスが「心の病」に成って現れ易いのではないかと考えます。
このタイプの人が「心の病」に至る過程とは、 元来が上に偏ったエネルギーバランスがストレスによって、上部のエネルギー がより一層極端に偏在する事に成り(このエネルギーを「電流」で表現すると)過電 流=「ショート」を起こした状態ではないでしょうか。

しかし、一方で
このタイプの人がストレスが少ない、良い状態の時は逆に上半身(特に頭)のエ ネルギーフィールドが強いわけですから頭を使う作業においては大変有能なはず です。

例えば、普通の人の頭が100ワットで仕事をしているとするとこのタイプの人 はそれ以上の200ワットの電流を使って情報を処理しているのです。
当然この様な人は「メモリ」も多いでしょうし、つまり「脳力」(?)が強い人 ですね。

ですからこのタイプは普段から頭の良い人とか思慮深い人と呼ばれているはず で、行動する前に考える~時に考え過ぎる(?)タイプの人でしょう。

「天才と何やらは紙一重」という表現は実は全く正しいのですね。

で問題はこのタイプの人が如何にして「遺伝子情報」を乗り越えて「心の病」に 至らずしてストレスを乗り切るかですが、上記の通り「エネルギー・フィール ド」が上半身に偏っていると言うことは逆に云えば「下半身のエネルギー・フィ ールド」が弱い訳です。

一応「人間のエネルギー質量」が(人種間で多少は差は有るかも知れません。ま た老化すると、この総量は減るでしょうが)
取りあえずは等しいと考えるならば 「質量保存の法則」に従うと「下半身のエネルギー・フィールド」を強めると 「上半身のエネルギー量」が減ることに成ります。

ここでもう一つ、非常に重要な中国医学的用語を用います。

下半身によらず「人間の生命エネルギー」自体を中国医学では「腎」と表現する のですが、この「腎」と呼ぶエネルギーの貯留場所がへそ下の「丹田」であると 言うのです。

ここに「生命力」「精力」「元気」の根本が宿るという考え方が、西洋医学には 無い中国医学の特徴です。

つまり生命力、元気の居場所は「下半身」なのです。

このへそ下の「丹田」の位置は別の視点で考えると人間という「立体構造物」の 「重心」に当たる位置でもあると私は考えていますので、「重心」が「重心」と しての役目を果たす為にもこの部分の質量、密度を充実させる事は非常に大切で す。

お相撲さんでもこの丹田部分にまわしをギュッと絞めているでしょう?
この部分のエネルギー密度を帯(まわし)を絞める事で底上げしてますね。
そうしないと身体がぐらついて下半身の安定力を欠くのです。

そいうえば相撲も「しこ」を踏んで下半身の強化に務めていますね。
(後述しますが、つまり「しこを踏む」ことは実は下腹=「腎」を鍛えることでもある のです。)

話がずいぶんと横道に逸れましたね。
もとい、 全身のエネルギー・バランスの歪みの正し方ですが 上半身、特に頭に偏在するエネルギー量を減らす方法の一つに やはり精神科の薬を飲む事が上げられます。

しかし実際にこの様な薬を常用している人を観察しますと、 確かに頭のエネルギーは減ったとしても その減った分量が決して下半身=「腎」に振り分けられてはいないのです。
つまり「エネルギーの総量」も減ってしまっている。
外部から新たな物質を注入すると元々有った「質量が保存されない」で 質量=「元気」自体が老人並に成ってしまっています。
下半身の低いレベルに全身を合わせてしまっているのです。
この意味でも「心の病」を薬に頼ってばかりいると 精神は安定していたとしてもパワーの全く感じられ無い人に成ってしまいす。

前記の如く 中国医学では「生命力はイコール腎力」ですから、
この下半身に宿る「腎」のパワーを如何にして強く出来るかに腐心した医学でもあるのです。そしてこの4千年の医学史の中にその知恵がいっぱい詰まっているので す。

その判りやすい良い例が「精力剤」の研究です。
この研究は「腎」の考え方の無い「西洋医学」にはなかなか起こり得ませんね。

「精力」とは「腎」の力そのものであり、生命力、元気の元ですから 朝鮮人参に始まって鹿の角やらそれこそありとあらゆるものが研究されていま す。 「精力剤」は決して男性だけが飲むものではなく 産後や病後の体力回復、老化予防が本来の研究目的です。
ですからこの精力剤を使って下半身の力を付けるのも一つの方法ですね。
しかしこの場合も 長く続けると不自然なエネルギーバランスを新たに生んでしまい、 精神科のお薬と結果は余り変わらない事になる。

要するに外から薬剤を注入する方法は、継続すると新たなトラブルを生む可能性 があるのです。

とにかく激しい心的症状は早期に「薬」を使って鎮静させ、取り合えずの急場をし のいだ後は「自前」で「エネルギー・フィールド」の調整をやる事です。

実はやはり最終的にはこれに尽きるのです。
ではその「自前のエネルギー・フィールドの調整方法」には何が有るか?

前振りがメチャメチャ長~くて恐縮ですが、ここからが一番大切ですね。
この方法を取らず、薬も全く利用しないままでいると「心の病」も最悪の結果に成る可能 性がある事は最初に述べました。

余りにも前振りが長すぎたので後はすっきり箇条書きにしましょう。
(ホント言うと一気にキーを打つ事に疲れてきたので。)

有酸素運動を行う。
とにかく心を病むと「息を詰める」癖が付いていますから、強制的に深呼吸を行 います。腹式呼吸で呼吸量を深く大きくする運動を行います。

ジョギング、エアロビクス、太極拳・・ETC

「腎」は「肺」と密接に関係します。
(人体観察に4千年の歴史を持つ医学がそう言っている)

つまり「心肺能力」「呼吸力」が「腎」の力を左右します。
逆に腎の力が深い腹式呼吸を促進するとも言えます。

フレッシュな酸素を十分に取り込む事で血液成分のバランス、血行を促進して 全身の細胞に新たな刺激と力を与え、貴方の「エネルギー・フィールド」の性質 (体質)を変えてしまいましょう。
第一に脳こそ身体で最も酸素好きな組織です。十分に酸素を送り込んで脳細胞の活性化を図りましょう!

但し「心の病」は特に薬を使っていると既に エネルギーの総量を減らしている事が多いのですから「腎力」=「体力」が相当衰えているはずで す。
有酸素運動は穏やかなモノから始めてください。


②スクワットを行う。
有酸素運動を行って「フィールドの質」の改善に努めた後は 「フィールド」の位置的なバランスを調整します。
下半身の特に「太ももの筋肉」を強化する事。
これは他にも「しこを踏む」とか 下半身に力を必要とする「ダンス」を行うでもいいですね。
下腹を直接に鍛えることは柔らかいお腹ですから難しいのですが、 太ももや足は鍛えられます。
試しに貴方の太ももに思いっきり力を入れてください。
無意識の内に太もも以上に下腹に力が一番入っているでしょう?
ですから「スクワット」も「しこ踏み」もつまりは下腹にある「腎」=重心の強化運動なの です。

今一つの肝心な方法ですが ①②両方を最も効率良く行うのが中国医学が生んだエネルギー=気の鍛錬法である 「気功」=養生功ですね。
「気功」とは「気を鍛える」と言う意味ですから、「養生気功」とは呼吸力と下腹の腎力 強化に他なりません。
しかしこの「気功」は上記の有酸素運動に比べてやっていて面白くありませんか ら、意思の強い方で無いと長く続きません。
この場合は長く続ける事こそ大切ですから
頭のエネルギーが強いタイプの方はお好みの有酸素運動を見付けて常に継続される事が「健康維持」特に「心の病」を予防する為にも良いのです。

ところで実は「気功」以外でも鍼灸も①と②の両方を行う治療法です。
(これも言っとかないとね!)
鍼灸では心肺能力を高めるツボ、や下半身特に「腎」を強めるツボを利用しま す。

心が元気になるツボ (関連ページへ)

「ツボ」は身体が表現している反応点で、ここを刺激する事は 決して薬の様に外部のエネルギーを一方的に注入するのではありません。
自然治癒力が全て支配する治療法ですから、 必要量のエネルギーを得れば自然と「ツボ」の働きが無くなるのです。

「腎」と「精神」に関しては、まだまだ言い足りないのですが、この辺で 私の「腎力」が尽きました。  


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