鍼灸治療のコンセプトは ホメオパシーと非常によく似ています。

「頭痛」を例に説明します。
例えば、痛みが後頭部から目の奥まで走るタイプの頭痛を訴える患者さんを治療する場合
正確なツボに鍼を刺すと、
一瞬その痛みが「ズシン!]と後頭部からスタートして目の奥までより強く再現されます。
思わず「当たった!」と鍼治療に馴れた患者さんなら声を上げる瞬間です。
鍼によって 強く再現された痛みを数秒の間響かせると
次に鍼を抜いた時にはもう先の頭痛は消え失せてどのようにしても、
例え同じ場所に鍼をもう一度刺しても、もうあの痛みは再現されません。
つまり治ってしまったのです。
ですから鍼の効果はホメオパシーと等しく即効性があるのです。

そしてどちらも病気の原因によらず、症状によって治療を進めるのです。

例えば日本脳炎による頭痛であろうと、長時間のパソコン使用による頭痛であろうと、 同じ様な痛み方をすれば治療の方法は同じです。
自然治癒力を反射的に増幅させ、治癒エネルギーの向かうべき位置や場所(方向性)を強調して
病を回復させるのが目的の医学なので原因は基本的には問わないのです。
むしろ、「痛み」や「症状」を身体を守る為の素晴らしい福音と考え、
痛み方や場所などの情報を大事にします。
もし、その頭痛が鍼でより強く全面的に再現されず、中途半端な再現に終わると 鍼を抜いてもまだ最初の頭の痛みが残っていたりします。
その場合はもう一度 別のツボ を刺激してチャレンジします。
同じツボは一回の治療には2度使いません。
身体は最初の鍼刺激を記憶しているので 同じ場所を刺激しても
リアクションが極端に悪くなるからです。
治療の正否を左右するのは、
まず第一は患者の病態を正確に把握することですが、 次はホメオパシーでは薬、鍼灸はツボの検索で、 その次に非常に大事なのは、薬の量、鍼灸ではツボへの刺激量(鍼の太さ、刺す本数、深さ、灸の数等々)です。 どちらも生体の自然治癒エネルギーを喚起させるだけが目的ですから、 その刺激量は常に必要最低量であるべきなのです。
ところが実際には生体の刺激に対するリアクションは個人差が非常に大きくて この刺激量の決定はとても難しいのです。 鍼の刺激がその人にとって大きすぎると返って症状が悪化してしまい
治療が失敗に終わります。
この様な目にあった患者さんは「私は鍼が合わない」等と言われます 。
自然治癒力で病気を治すのですから合う合わないもないはずなのですが、刺激量を誤るとこの様な誤解を受けてしまいます。

鍼治療の失敗はひとえに刺激量のミスによります。
(ツボを間違えても刺激が小さいと余り問題は起こりません。)
個々人の刺激に対する許容量やリアクション(反応力)の大小を正しく予知し、刺激量を決定する事は非常に高い能力を必要とし、
多くの患者を治療して経験を積み、データをたくさん持つ以外には修得は困難です。

(ツボを正しく検索するテクニックは個人の能力や、努力次第で、ある程度短期間で身に付けることも可能ですが)


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