★偏頭痛 VS 片頭痛
名前 = S子
性別 = 女性
age = 20to29
メッセージ =
看護婦をやっています。偏頭痛と片頭痛の違いを教えていただきたいのですが・・・
私の学習したことに間違えがなければ「片頭痛」が正しいと思うのです。
しかし「へんずつう」で変換すると一発で偏頭痛がでます。
この二つはおなじものなのか?またはまったく別の症状と考えていいものか私の持つ資料で解明できない部分があります。
いかがなものでしょうか?
S子 様へ
ツボ探検隊の松岡です。面白いご質問を有り難う!
確か「へん頭痛」は英語で「hemi headache」って言いますね。
「hemi」は「harf」の意味の接頭語で北半球などの半球も「hemisphere」ですし、半身不随も「hemiparalysis」ですね。ご存じのように医学用語では身体の片側を表す「hemi」は、それこそ腐るほど使われてます。ですから西洋医学で言っているのは一方に偏って痛む意味の「偏頭痛」ではなく、まさしく貴方の仰る通り単に頭の半分が痛む意味の「片頭痛」が正しいですよね。そしてこれを「血管緊張性頭痛」とした訳ですね。なぜこれを「血管痛」と限定したのかは実は私には判りません。
何故なら私の臨床経験では必ずしも「血管痛」ではない「片(側)頭痛」が多いからです。肩や背中の凝りがこじれた結果頭痛に発展した筋肉性のもの、頸椎のアライメント(並び)に問題がある場合、稀には心因性の場合もあります。
むしろ日本人の場合は肩こりや首の凝りが原因になって「頭の片方が痛む」人が多いですね。身体の左右バランスが悪いのは日本人の特徴ですから。顔だけをみても欧米人には左右対称の顔の人が結構いますが、日本人ではまず居ないでしょう? それだけ日本人の身体は多少とも左右差があるのが普通です。ですから欧米人なら全体が痛むはずの単純な筋肉性頭痛でも片側だけが痛む人が多いのです。
私見ですが骨格がしっかりとして筋力の強い欧米人は「肩こり」を殆どの人はまったく知らないという現実がありますから、片側が痛む頭痛は実際問題として「血管痛」以外にはまず見られない症状なのだと思います。西洋医学は主に西洋人の病気を研究して発展したものですからね。日本人に多い「肩こり」や「冷え性」も彼の国の方々にはほとんど見られない症状ですから研究もされていないし、もし研究して治療薬を作っても欧米ではまず買う人が居ませんね。結局患者さんの多い日本の病院でも欧米で開発されていない為に治療薬がないから治せないんですね。とにかくそんな事情で欧米人には肩や首のこりが原因で頭の片側が痛む人は滅多に居なくて片側頭痛はイコール「血管緊張性頭痛」なのでしょう。

患者さんの身体をじっくりチェックする鍼灸の仕事をしていますと人種間の身体の違いにはいつも唖然とさせられます。
(テレビなどで大リーグの選手の身体能力を見たら良く判るでしょう?)
内臓(特に肝臓)などの違いも大きいのでしょうが骨格、筋肉(筋力)、皮膚などの違いは目で見ただけで歴然としています。
日本人は中国人に比べても内臓も筋肉も皮膚もずっと柔らかくてひ弱いですよ。
筋肉で言うと日本人は養殖鶏の「ブロイラー」の様で有り、中国人は「放し飼いの地鶏」くらいしっかりとしています。鍼だって中国人に刺すのには力が要り、日本の細い鍼だと本当に頼りない感じです。それだけ強い体をしています。
ですから「肩こり」も中国人はほとんど感じたことがないようです。

ところで私の所にご質問を頂いた真意は
「中国医学では偏頭痛はどうなっているの?」ということでしょう?
中国医学の「症状鑑別診断学」の「偏頭痛」のページの画像を添付します(ここをクリック)が中国医学では「偏頭痛」が正しいのです。特に偏頭痛の<概念>の所を読んで下さい。各医学書でそれぞれ「偏頭風」「額角上痛」「頭半辺痛」「頭角痛」と著されているのは全て「偏頭痛」のことであると書いてあります。頑固で治しにくいのが多いともあります。一読されるとお解りの通り「血管痛」を意味する記載はありませんね。漢字の意味通り、単に「頭の一方に偏った痛み方をする頭痛」と言う意味で使っています。中国医学での「偏頭痛」の分類ですが症状別に三つに分けています。

①肝陽偏頭痛:中国医学で言う肝臓が陽に偏った状態で起きる偏頭痛です。
眼痛、目まい、耳鳴り、イライラ、怒りっぽい、不眠、脇腹痛、口が渇く、顔が赤い、舌は赤くて苔が少ない、脈は細くぴんと張っている又は細くて速い。

②於血偏頭痛:血の道症的偏頭痛です。
「於血」とは動脈硬化など血管に問題が有る場合や糖、脂肪などの血液成分、内分泌ホルモン等に問題が有って全身の血行不順になっている場合を言います。
痛み方が強い、慢性化傾向がある、動悸、物忘れ、生理不順、舌が暗紫色又は紫色の斑点がある。脈はピンと張っている、或いは沈み込んでいる。

③寒飲偏頭痛:身体の冷えが原因の偏頭痛
胸がむかつく、お腹が張る、悪心、吐き気、腹痛、温めると気持ち良い、手足の冷え、食欲不振、舌苔が白い。脈はつるんと張っている。

日本人に多い単純筋肉性の偏頭痛や頸椎性の偏頭痛には触れていませんが、おそらくこれは骨格や筋力の強い中国人の場合は一般には見られない所見なのでしょう。

①の一部と②が西洋医学の「血管痛」の偏頭痛に当たると思います。
これらの鍼灸治療の場合、日本人に多い筋肉性の偏頭痛は時にはたった1回で、長くても3~4回程度で治ります。
「血管痛」の西洋医学で言う「片頭痛」は個人差がありますがもう少し長くかかります。(1~10回)
しかし、どちらも鍼灸ではかなり治しやすい病気です。
私の30年の臨床経験では偏頭痛で治療に手こずったり、治らなかった患者さんは記憶にありませんから。
頭痛治療に関しては「痛む部位別頭痛治療」をご覧下さい。


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