ツボ探検隊の松岡です。
「ツボ」療法は基本的に刺激療法ですから、繰り返し同じ位置を刺激すると脳が同じ位置からの刺激を記憶してしまい、予定行動として刺激に反応しなくなる事が考えられます。すべては「想定の範囲内!」って事に成ってしまうでしょう。
例えばあなたが誰かに頬をぶたれたとしましょう。
その時は大変なショックを受けて動揺したとしても、もしも毎日のように繰り返しぶたれたとしたら、いつの間にか精神的にも肉体的にも以前の様には反応しなく成り、痛みも余り感じない様に身体が変わって来るはずです。これは生体を守るための免疫と同様の防御本能の一種で、いたずらに精神が動揺したり身体が傷付かない様に感覚を鈍くして生体を守るのです。
「ツボ」療法はこの様な身体を傷つける恐れのある刺激では有りませんが、身体が「ツボ」として体表に訴えていない、不必要な場所を繰り返し刺激すると同じように刺激に鈍感な身体に変ってくる事が考えられます。つまり身体にとって無駄な刺激を繰り返すと生体反応を弱くする、強いては自然治癒力を弱める恐れが有るのです。
薬好きでよく飲む人よりも滅多に薬を飲まない人の方が薬が良く効くと言いますが、刺激療法でも同じ様な事が起きるのですね。
ですから出来れば一日一回程度、それも必ず反応の有る「ツボ」部分に刺激する様にして下さい。「ツボ」をいくら刺激しても効果が何も感じられない時は、体内が体表に訴えている本当の意味の「ツボ」ではないのですから、刺激するのを止めて下さい。無意味な刺激は百害有って一理無しですからね。
体内から体表の皮膚に送られた信号部位、つまり「ツボ」ですね。ここを刺激した場合だけ刺激が信号の送り主である体内の問題カ所に「フィードバック」して、症状の好転が期待できるのです。
ツボ刺激により明らかな効果がある時は、効果が減じた時に再び刺激を行うと良いでしょう。同じく体内から信号が送られているエリアでは周囲をマッサージするのは良いはずです。
繰り返しますが、刺激をしても「ツボ」効果が無い時はその部分には体内から信号が送られていないので、つまりその場所は貴方にとっての「ツボ」では無いのです。
「貴方のツボでは無い」とは、問題を起こした貴方の体内から皮膚に送られた信号場所ではないと云う意味ですから、体内と体表との連鎖関係が無い訳で、当然ながら刺激をしても体内の問題カ所に「フィードバック」して好転反応を起こしませんので行う意味がありません。無駄な刺激を繰り返していると本当の「ツボ」効果が減じる可能性があるのでお止めになって下さい。
(薬好きは薬が効き難いのと同じ!)
「ツボ」なんて効かないと言っている方にどの「ツボ」を刺激したのか実際にその皮膚に触らせて頂くと、何方も皮膚が丸で「ツボ」になっていない、体内との連鎖関係が無い、無関係な皮膚を「ツボ」のつもりで刺激しておられます。元来の「ツボ」の意味がお分かりでないのですね。
「○○のツボ」と言うのはあくまでその症状(状態)が体内で起こった時に体表の皮膚が変化を起こす位置の指標です。
○○のツボは何処其処から何㎝の所に有るというのはあくまで、体内の某組織に障害が起きると大多数の人々の体表の何処其処から何㎝の皮膚に変化が現れますよ・・・と言う意味なのです。
「ツボ」の図表というのは最大公約数的位置を目安として示しているに過ぎないのですから、当然ながら個人差が有ります。
「当たらずしも遠からじ」では無く、素早い効果を求めるならば個々に自分の「ツボ」を探して確認をして刺激を行う事が大事ですね。無駄な刺激を繰り返して本来の「ツボ」が効きにくい身体にしないためにもです。
05.3.25