名前 = @@@ 性別 = 女性 age = 20~29 メッセージ = もっとツボについて知りたいです。教えて下さい |
こんばんは!ツボ探の松岡です。 どんな病気でも病状が進行し「死」が迫っている時の人間の形相(見た目)はほぼ共通しています。つまりその皮膚はハリが無く肌色はくすんで乾燥し色つやが悪い。身体の表面(体表)が明らかに光沢を失った状態を呈します。その状態が極に達していると思われる時に「死相」が出ているなどと表現したりもします。
もっと言えば、どんな病気も進行する時は顔色(体表の皮膚の色)が悪くなりながら悪化していくのです。「病気はすっかり治ったが顔色はずっと悪いままだ」なんて事はあり得ないでしょう? もしもそうならば「まだ本当には病気は治っていない」と考えるべきですよね。 このことからも、「体表」と「体内」は相互に同一性を持っている、同じ情報を共有しているとする鍼灸医学の考え方に論理的飛躍、不整合は無いように思えませんか? そこで各論的展開として第二にこの体表に現れる「ほぼ同じ形」の変化について考えてみたいと思います。中でももっとも分かりやすい「ほぼ同じ形」の代表は「肌の明るさやツヤ」を失う状態、いわゆる肌の「くすみ」ではないでしょうか。 確かに誰の目にも明らかな体表の「くすみ」は病状の進行が著しいわけですが、そこまでに至る過程では「くすみ」は僅かな「点」でしかありません。「死相」と称されるような全身の皮膚の激しい衰えは一夜にして全身を覆ったのではなく、僅かな「くすみ」の「点」が病気の進行により徐々に拡大して目に見える「面」となり、それがいっそう拡大して全身を覆い尽くした状態です。先に「くすみ」とは皮膚細胞の栄養状態の劣化による反射光の減少であると書きましたが、この劣化した皮膚がもたらす「くすみ」の「点」こそ実は「ツボ」の正体とも言えるのです。 「くすみ」をもたらす劣化した細胞群は同時に皮膚抵抗も減少し、上から押すと「凹み」と成ります。 反対にいわゆる栄養が行き届いた「ぷりぷり」「ぴちぴち」の皮膚は「くすみ」も生まず、弾力があって「凹み」も生みません。これは「反ツボ状態」の皮膚で「健康の証」です。そこで、もしもこの「くすんで凹んだツボ状態の皮膚」のみを対象として治療を行い、「反ツボ状態」の「ぷりぷりの色ツヤやハリ、弾力のある皮膚」に変えることが出来たならば、身体はどうなるのでしょうか? そこで何らかの体調不良を訴える方の体表を観察して明らかな皮膚変化(くすみ、凹み、弾力の欠如、冷感など)を起こしているポイントを発見すると、そこにその皮膚変化に応じた刺激を与えます。既に長い歴史から得たデータより、どの様な体調不良には、どの辺りの皮膚上を調べれば変化を素早く察知できるか、またその変化に応じた刺激方法についても情報は既に提示されていますから、(研鑽さえすれば)比較的容易に皮膚のツボ変化に対する治療が可能となり、(つまりこれが鍼灸治療術です。)適切な刺激がそのツボに与えられると、ツボとその周囲に血液が集まり、皮膚温が上がり一気に劣化状態から回復基調に移行し始めます。
従って個々の患者さんにとっての体内の現況を正確に表現した「ツボ」を発見しないと「体内」の現況を改善する「連動」が治療によって起こらないと考えられます。 つまりツボ治療をもっと端的に言えば、「ツボ」という損傷した皮膚ポイントを癒すことで、その「ツボ」が存在している「体表点」とリンクしている「体内点」を変化させようと目論む治療法です。 どんな病気も必ず進行すると皮膚の状態が悪くなると言うことは、どんな病気もその進行に応じた「ツボ」(=皮膚状態の悪化が集約された点)が出来るはずだと言えます。(「ツボ」検索による病気診断)そしてそれを発見出来たなら、能力的な問題はさて置くとすれば一応はどんな病気も「ツボ」で治すことが可能なはずとなります。 例えば「胃腸病のツボ」とは正しく言い換えると「胃腸機能の障害による影響で起こった皮膚細胞の劣化ポイント」という意味で、他の病気のツボも同じ理屈です。もちろんこれは臨床観察の歴史的蓄積データから抽出されているですが、当然ながら個人差は有りますから一人一人の皮膚を観察し確認を怠っては治癒率は上がりません。 そしてもう一つ言えることは、「ツボ」とは周囲の皮膚との比較で明らかな劣化状態を表している「点」ですから、全身の皮膚が劣化して「くすみ」が全身を覆い尽くすと、もはや「ツボ」というピンポイントの「点」の劣化は発見出来なくなります。つまり「死者にツボは無い」のです。生きたままの人間の内部を調べる器具の全く無い大昔では、外部に現れた情報を観察して体内を推測するしか方法はなかったのです。ツボはその様な状況下で発見されたものですが、「想像」からではなくあくまで「観察」から発見されたものは、時代が変わってもその価値は容易には失われないはずだと思っています。
★☆ 分かり易く話を進めるために「体表と体内とが同一」と書いてしまいましたが、むしろ変化の開示性は「体表」>「体内」でしょう。つまり本人が何ら自覚症状の無い、ごく些細な「体内」の変化も「体表」は素早くはっきりと表現しているのです。長年「ツボ変化を探ること」を仕事としておりますと、この事を痛感いたします。 例えば20歳の若者が23歳に成っても加齢現象、体力の衰えを自覚することは少ないでしょうが、皮膚を見ればハリや色ツヤにおいて20歳と23歳では明らかに違います。 私も免許証写真を見ると更新するたびに徐々に己の顔が老いているのを認めざるを得ないのです。 これは加齢により確実に内臓機能が衰えている証拠で、命の「ろうそくの灯」の燃え尽きる日が確実に一日ずつ近づいている事を物語っているんですよね。「ツボ」の話から最後は私自身が何か「しんみり」してしまいましたが、貴女の疑問の解決に役立ちましたでしょうか? |
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