★ もっとツボについて知りたい ★


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性別 = 女性
age = 20~29
メッセージ =
もっとツボについて知りたいです。教えて下さい


こんばんは!ツボ探の松岡です。
ずいぶんとアバウト(失礼!)なご質問で「ツボ」についての何をどうお伝えしたら良いのかよく分かりませんが、今までに他の方々から頂いたご質問から察すると「皮膚(=ツボ)を刺激することで体内に起こってる病気が治る」って事がどうにも納得できない、合点がいかないという方々がまだまだ多い様に思います。そこで(貴女の知りたい事とは違うかも知れませんが)この点について少し視点を変えて説明させて頂こうかと思います。

どんな病気でも病状が進行し「死」が迫っている時の人間の形相(見た目)はほぼ共通しています。つまりその皮膚はハリが無く肌色はくすんで乾燥し色つやが悪い。身体の表面(体表)が明らかに光沢を失った状態を呈します。その状態が極に達していると思われる時に「死相」が出ているなどと表現したりもします。 
逆に言うと全身がしっとりと潤い且つ肌ツヤが明るく変化して「病死」する人間はまずいないはずです。もしもそんな風に「良い顔色」のままでコロッと亡くなる病気があればお教え願いたいくらいです。このことはおそらく誰でも直感的に当たり前のように知っているはずですが、実はもっと注目すべき現象なのではないでしょうか。 

要するに世に病気の種類は10万種類を越えるとも言われていますが、ガンであれ白血病であれ難病の自己免疫不全疾患でも脳血管障害、心臓、肝臓等の内臓疾患その他様々な遺伝病、風土病、話題の謎の肺炎でも病気という病気は全て、「病い」が進行すると身体に同じ様な目に見える「皮膚変化」を起こすという「事実」です。
先ほども指摘しましたように、目に見えるどんな皮膚変化も起こさずに健康時の皮膚のままで「病死」する例は先ず無いのです。言い換えますと、病因の如何に関わらず、全ての病気は病気の進行に応じて「皮膚」=「体表」に変化を起こしている事になります。つまり身体内部で起こっている生命活動を脅かす不具合(病気)は、その不具合(病気)の「原因の如何に関わらず」「ほぼ同じ形」で必ず体表の皮膚にもその不具合を波及させている「事実」です。

以上の事柄から次のことが推し測れます。

ツボを理解するポイント:その①
あらゆる病気はその「進行」と比例して「皮膚」にも異常が現れる。言い換えると「皮膚に全く異常の現れない病気は無い」 

もっと言えば、どんな病気も進行する時は顔色(体表の皮膚の色)が悪くなりながら悪化していくのです。「病気はすっかり治ったが顔色はずっと悪いままだ」なんて事はあり得ないでしょう? もしもそうならば「まだ本当には病気は治っていない」と考えるべきですよね。

このことからも、「体表」と「体内」は相互に同一性を持っている、同じ情報を共有しているとする鍼灸医学の考え方に論理的飛躍、不整合は無いように思えませんか?

そこで各論的展開として第二にこの体表に現れる「ほぼ同じ形」の変化について考えてみたいと思います。中でももっとも分かりやすい「ほぼ同じ形」の代表は「肌の明るさやツヤ」を失う状態、いわゆる肌の「くすみ」ではないでしょうか。
前よりも肌色がパアっと明るくなって、しかし病状は悪化しているなんてことがあり得るのでしょうか? おそらく無いでしょう。  
ではこの肌色の暗転「くすみ」がなぜ起こるかを考えてみる必要が有りますよね。しかしこれには先ず物がどのようにして我々の目に見えるかを考えるのが先決です。物を見るには「光」、「光源」が必要です。ご存じのように物が見えると言うことは物体に反射した光源からの光(反射光)を我々の目が見ているに過ぎません。要は真暗闇ではどんな顔色も見えません。ですから肌色が暗くくすんで見えるのは、それを見ている我々の目に一斉に飛び込んでくる反射光の量が少ないからに他なりません。個々の表皮細胞の栄養状態が過不足無く均等で有れば、皮膚表面は均一で光源からの光は同程度の角度で等しく反射し、あたかも物体(肌表面)から発せられるかの如き光量も大きく我々の目に飛び込んできます。つまりこれが「顔色の良い皮膚」の実体です。ところが表皮細胞の栄養状態に問題が起これば個々の細胞の形や質量は微妙に変化し、光源から発せられた同等量の光でも形の変化により入射角度も様々となり、質の変化では屈折も起こす訳ですから、乱反射となり我々の目に入る光量はぐっと減少してしまうはずです。これが「暗く見える皮膚」、「くすみ」の正体となります。

確かに誰の目にも明らかな体表の「くすみ」は病状の進行が著しいわけですが、そこまでに至る過程では「くすみ」は僅かな「点」でしかありません。「死相」と称されるような全身の皮膚の激しい衰えは一夜にして全身を覆ったのではなく、僅かな「くすみ」の「点」が病気の進行により徐々に拡大して目に見える「面」となり、それがいっそう拡大して全身を覆い尽くした状態です。先に「くすみ」とは皮膚細胞の栄養状態の劣化による反射光の減少であると書きましたが、この劣化した皮膚がもたらす「くすみ」の「点」こそ実は「ツボ」の正体とも言えるのです。

「くすみ」をもたらす劣化した細胞群は同時に皮膚抵抗も減少し、上から押すと「凹み」と成ります。
押すとぺこんと凹む特徴から「ツボ」の事を中国では昔から「穴」とか「孔」と表現しています。(稀には水分代謝異常により「凹み」よりも「ぶよぶよ」した「点」と成っているツボも在ります)
この「くずみ」を起こす「ツボ」変化は中国医学の長い歴史によって、どの内臓や組織に異常が起きると、どの辺りの皮膚細胞に真っ先に異常が現れるかのデータが蓄積されているのです。例えば「くすみ」といえば一般的に言われるのが「顔のくすみ」、特に目の下の「クマ」=「くすみ」ですね。夜更かしや不摂生により現れやすいことで知られています。これは内臓では中国医学で云う「肝臓」、「生殖器」に何らかの問題がある時に現れる皮膚細胞の変化=「くすみ」であるとされています。

反対にいわゆる栄養が行き届いた「ぷりぷり」「ぴちぴち」の皮膚は「くすみ」も生まず、弾力があって「凹み」も生みません。これは「反ツボ状態」の皮膚で「健康の証」です。そこで、もしもこの「くすんで凹んだツボ状態の皮膚」のみを対象として治療を行い、「反ツボ状態」の「ぷりぷりの色ツヤやハリ、弾力のある皮膚」に変えることが出来たならば、身体はどうなるのでしょうか?
しつこいようですが、 体内に起こっている病的変化は「肌」という身体表面の「皮膚」に必ず表現されているということは、そこに内と外をリンクしているしっかりとした道筋(ルート)が存在することを意味している訳ですから、逆に身体表面の皮膚が良くなれば実は体内の不具合(病い)にも良い変化をもたらすと考えてもおかしくはないでしょう?  何故ならば顔色や皮膚の色ツヤは良くなったが病気は悪くなっている、なんて例は実際には先ずありませんからね。

そこで何らかの体調不良を訴える方の体表を観察して明らかな皮膚変化(くすみ、凹み、弾力の欠如、冷感など)を起こしているポイントを発見すると、そこにその皮膚変化に応じた刺激を与えます。既に長い歴史から得たデータより、どの様な体調不良には、どの辺りの皮膚上を調べれば変化を素早く察知できるか、またその変化に応じた刺激方法についても情報は既に提示されていますから、(研鑽さえすれば)比較的容易に皮膚のツボ変化に対する治療が可能となり、(つまりこれが鍼灸治療術です。)適切な刺激がそのツボに与えられると、ツボとその周囲に血液が集まり、皮膚温が上がり一気に劣化状態から回復基調に移行し始めます。

ツボを理解するポイント:その②
「体表」と「体内」は相互に密接に結びつき、「体表」に起こった皮膚の劣化ポイントを改善すると「体内」の状況も「連動」して改善される。 この「連動」を起こす皮膚の劣化ポイントが「ツボ」である。


従って個々の患者さんにとっての体内の現況を正確に表現した「ツボ」を発見しないと「体内」の現況を改善する「連動」が治療によって起こらないと考えられます。 

つまりツボ治療をもっと端的に言えば、「ツボ」という損傷した皮膚ポイントを癒すことで、その「ツボ」が存在している「体表点」とリンクしている「体内点」を変化させようと目論む治療法です。

どんな病気も必ず進行すると皮膚の状態が悪くなると言うことは、どんな病気もその進行に応じた「ツボ」(=皮膚状態の悪化が集約された点)が出来るはずだと言えます。(「ツボ」検索による病気診断)そしてそれを発見出来たなら、能力的な問題はさて置くとすれば一応はどんな病気も「ツボ」で治すことが可能なはずとなります。


例えば「胃腸病のツボ」とは正しく言い換えると「胃腸機能の障害による影響で起こった皮膚細胞の劣化ポイント」という意味で、他の病気のツボも同じ理屈です。もちろんこれは臨床観察の歴史的蓄積データから抽出されているですが、当然ながら個人差は有りますから一人一人の皮膚を観察し確認を怠っては治癒率は上がりません。

そしてもう一つ言えることは、「ツボ」とは周囲の皮膚との比較で明らかな劣化状態を表している「点」ですから、全身の皮膚が劣化して「くすみ」が全身を覆い尽くすと、もはや「ツボ」というピンポイントの「点」の劣化は発見出来なくなります。つまり「死者にツボは無い」のです。生きたままの人間の内部を調べる器具の全く無い大昔では、外部に現れた情報を観察して体内を推測するしか方法はなかったのです。ツボはその様な状況下で発見されたものですが、「想像」からではなくあくまで「観察」から発見されたものは、時代が変わってもその価値は容易には失われないはずだと思っています。

健康な人の皮膚 =均一
健康上のトラブルがある人の皮膚 =不均一

栄養状態の悪い皮膚(ツボ)が発生。
 状態の異なった皮膚細胞が混在している。
既に生命活動を停止した皮膚 =均一
マイナスの意味で皮膚は凹凸が無く均一なので「ツボ=凹み」は無い

★☆
分かり易く話を進めるために「体表と体内とが同一」と書いてしまいましたが、むしろ変化の開示性は「体表」>「体内」でしょう。つまり本人が何ら自覚症状の無い、ごく些細な「体内」の変化も「体表」は素早くはっきりと表現しているのです。長年「ツボ変化を探ること」を仕事としておりますと、この事を痛感いたします。 例えば20歳の若者が23歳に成っても加齢現象、体力の衰えを自覚することは少ないでしょうが、皮膚を見ればハリや色ツヤにおいて20歳と23歳では明らかに違います。 私も免許証写真を見ると更新するたびに徐々に己の顔が老いているのを認めざるを得ないのです。 これは加齢により確実に内臓機能が衰えている証拠で、命の「ろうそくの灯」の燃え尽きる日が確実に一日ずつ近づいている事を物語っているんですよね。「ツボ」の話から最後は私自身が何か「しんみり」してしまいましたが、貴女の疑問の解決に役立ちましたでしょうか?


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