ツボ探検隊の松岡です。
早速ですが御質問に関して
> 治療の経過として、痛みが増すと言う事はあるのでしょうか。
> また、自分に合っていないと判断するのに目安になる治療の回数・期間はどのくらいでしょうか。
病気も実に様々ですから鍼治療の経過中で一時的に症状が増すことは有り得ますが「腱鞘炎」は治療と共に徐々に痛みや炎症が軽快すべき疾患です。
ご自分に「治療が合っていない」云々の判断もやはり病気に拠りますが、貴女のような整形外科領域の疾患では単に技術力だけの問題で「合う合わない」の問題では無いでしょう。
確かに薬物治療で有れば個々の身体に「合う合わない」問題は確かに付きものですね。「薬物」は我々の身体にはあくまで「異物」なのですから、病気を治すつもりが時にはショック(薬物ショック)や副作用で死亡する人だって存在する訳です。
ところが鍼灸治療は「薬物、異物に対する生体反応」で病気を治そうとする治療術では有りません。
あくまで体内には何も注入しないで生命が既に持っている手持ちの能力(自己修復力=自然治癒力)だけをうまく働かせて治そうと外から刺激を与えるだけの治療法です。
言わば生命に「頑張れ!」と外から「励ますだけ」の治療法ですから、本来は「合う合わない」問題は起きるとは思えないのです。
ただ単に「励まし方」(技術力)に問題があるだけで、「自分に合わなかった」方は単にその方の症状を治すのに相応しい鍼治療技術に出合わなかっただけなのです。
外から「励ますだけで病気を治す」治療法は、言うのは簡単ですが既に病気に成ったには本来持っている「自然治癒力」=「自己修復力」が不具合を起こすに至った何らかの大きな理由が体内に有ったのですから、この理由を凌駕して自然治癒力を再び活発に働かせるには相当なテクニックが必要です。
医師による薬物治療よりも薬を使わず病気を治すノウハウの方が修得が何倍も難しい事は容易にご想像頂けると思います。
つまり鍼灸治療とは頑張っても誰もが技術を駆使出来るものでは無いとも言える、技術の標準化が非常に難しい治療方法なのです。
私も既に何十年もの間、相も変わらず日々後悔と挑戦を繰り返し病いと汗だくで格闘しているのが現実です。確かに年の功でコントロール可能な疾患数は増えていますが、それにも増して病は数限りない感じがします。
基本的に「合う合わない」問題は単に技術者の「未熟さ」に起因するだけで、治療法自体の問題では無いとお考え下さい。
鍼灸はあくまで薬を使わず自然治癒力を高めて治す治療法で、どの様な病気も自然治癒力が働かないと治らない訳ですから「合う合わない」に話が及ぶのは論理的にも矛盾するのです。
もっとも現代科学をしても「生命」は未だに「謎だらけ」の無限大かと思える程の奥の深い対象です。
我々がその生命に起きた「病気」の全てを治すノウハウに習熟する事などもはや「人間技」では無いのかも知れません。
結論:ご自分で治す(以下に方法を書きます)か、別の鍼灸師に当たって下さい。
○ご自分で治す方法:
高麗手指鍼のツボを使います。この治療法は「ツボ」が見つかると痛いのですが素人でも効果が出せます。
痛い方の手の薬指を刺激します。爪楊枝の先が尖っていない方で薬指先の「関節の横筋」の上を軽く擦ります。30秒ほど擦っていると妙に皮膚上に敏感な部分が出来てきます。
そのエリアから特に涙が出るほど痛い点(約1ミリ)を探して約1分間痛みを我慢して押し続けます。
その後で手首の痛みが減っているはずすから、直ぐに確認して下さい。
これを何度か行うと痛みは治まります。
この方法は「涙が出るほど痛む点」を見付けるのが「コツ」です。
見付けられないと効きません。そしてここを刺激するのはかなり痛いですよ。
画像を添付しますのでよくご覧下さい。
手首の内側が痛む場合と外側が痛む場合で
薬指の内側外側と痛むエリアが違ってきますので、ご注意下さい。
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05.3.25