★ 「酒さ」(赤鼻、赤ら顔)のツボ ★
名前 = いちご
性別 = 女性
age = 30to39
メッセージ =
はじめまして。
体調が悪くなると、こちらのサイトを拝見させていただいています。
いろいろな情報があり、大変助かっています。
ところで、私は「酒さ」です。
ちょっとした温度差があると頬や鼻が赤くなります。
「酒さ」は原因不明で治療法はビタミン剤の内服やレーザー治療が主らしいです。

わたしはビタミン剤は飲んでいますが効果は感じません。
レーザー治療は金額が高いのでちょっと無理です。
そこで、ツボによる治療法があれば教えていただきたいと思ってメールさせていただきました。
よければ教えてください☆ 宜しくお願いいたします。


返信が遅れてスミマセン!
確かに、大人なら誰でも知っていると言っても良い、「酒さ」ですが、昔から、お芝居では、酒好きや酔っぱらいを演じる役者さんの鼻が赤くメイクされていたり、私たちは、酒と赤い鼻の因果関係を何となく周知の事としているのですが、詳しいメカニズムは、今も分かっていない、隠れた難病の一つです。
頬を中心に顔全体に至る「赤ら顔」も「酒さ」と同症です。ステロイドを塗ると、むしろ悪化するので、お気をつけ下さい。
治療には、もっぱら、レーザーが用いられていますが、原因治療ではないので、再発の可能性が高く、完治に至るのは、難しいでしょうね。
「酒さ」のネイミングからも、「飲酒」に由来するということで、肝臓との関係は無視できないと思われるのですが、一般に東洋人よりも、肝臓が強いとされている、ヨーロッパ人に多いので、一概には言えませんね。

具体的には、顔の毛細血管に多量の血液が流れ、血管が赤く腫れて肥大する皮膚病ですが、子供には見られず、なぜ大人の顔面の、特に鼻先や頬にこの様な現象が起きるのでしょう?

はるか2千年以上前に記された、中国医学のバイブル「黄帝内経:素問」や、後の「外科大成」には、既にこの病気についての記述があり、肺機能失調、寒熱、皮膚温調節不調、血液成分、血液循環の不調、(お血:おけつ:「於」に「病垂れ」が付く)によると指摘しています。肝臓に問題があるとは、必ずしも書かれていません。

ツボ療法では、「肺機能」、胃腸機能の調整、下腹を温め、全身の温度バランスを整える、精神的ストレスの軽減等々を治療目標とします。同時に顔面に過剰に溜まった血液を下げる意味で、下半身、特に足のツボ刺激を重用します。

※中国医学では、皮膚や鼻に起きるトラブルは、まず第一に「肺」に問題が有ると考えるのです。

A)全身の中国式ツボ療法
①鼻や頬が明るい鮮やかな赤味を呈している場合は、肺機能を重点的に整え、
②暗赤色で静脈が浮いている様な場合は、肺と同時に腹部臓器の治療も行います。

①の場合のツボ:印堂、四白、禾りょう(かりょう)、合谷(ごうこく) 少商(しょうしょう)、列缺(れっけつ)、 曲池(きょくち)  迎香(げいこう) 上星(じょうせい) 、百会(ひゃくえ)、親指先の少商(しょうしょう)は瀉血のツボです。

②の場合のツボ:静脈の浮いている部分からは瀉血する。印堂、四白、 合谷、 曲池 、内関(ないかん) 、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、太衝(たいしょう)等々

※瀉血は、安全ピンなどの針の尖端を、ガスライターなどの火で赤くなるまで焼いて、針先を消毒し、ちくっと突いて、血液を絞り出します。瀉血時には、患部のアルコール消毒を必ず行います。

顔のツボは、親指以外の4本指での、手首のスナップを利かせたタッピング刺激が良いでしょう。足のツボは、「せんねん灸」の様な温灸がお勧めです。
顔に過分な血液が流れて、血管が肥大する「酒さ」と言えども、人体を流れる血液の絶対量が多い訳ではないので、足を温めて、足先の温度が上昇=血液が足に集まると、顔面の血液が下に誘導されてきます。

顔のツボは、手首のスナップを利かせた指先タッピング刺激で! 顔を余り強く叩くと内出血を起こしますので、ご注意下さい。手の親指先の「少商」は「瀉血」のツボです他は、アルミホイルを丸めて貼り、貼った上から、少し押します。ツボを押すことに頼ると、指を傷めます(ツボを押し過ぎて、親指を骨折する方が珍しくないのです)
足先の黒線内は、痛むポイントを見付けて、温灸して下さい。他の足のツボは、腕のようにアルミホイルを丸めた玉を貼っても良いのですが、出来れば、足先のように温灸で足を温めることをお勧めします。


B)手だけを用いる高麗手指鍼のツボ療法
:一般の方々には、こちらのツボ療法の方が、直ぐに出来て、実行しやすいと思います。こちらも温灸が良いし、爪楊枝などで、刺激するのもOKです。画像をよーく見て下さい。 こちらも顔から手に血液を集めます。
この療法もツボの温灸がベストですが、先の丸い棒で押すのも、ツボがうまく当たればOKです。一ヶ所10秒程度押します。皮膚を傷めるので、長く押し過ぎない様にして下さい。

爪楊枝の尖っていない反対側が使いやすいです。その際は、しっかり、黒丸点を押して、ツボの持つ、特有の痛みを確認して下さい。

しかし、基本は温灸です。

 


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