★ 東洋医学の健康診断 ★
> 名前 = ダックス
> 性別 = 男性
> age = 40to49
> メッセージ =
>
おたずねします。
> 東洋医学と西洋医学では見立てが違うと聞きますが、東洋医学で健康診断してくれる所ありますか? 
> この春に会社の健康診断で問題ないと言われていた同期の友人が先週入院したので、気になっています。




我々が日頃から行う中国医学の診断と西洋医学の診断とは確かに大きく違います。
全国津々浦々の医療機関で健康診断、人間ドック等々は日々行われているわけですが、ご存じのように東洋医学的な視点でチェックされることはありません。

しかし東洋医学の診断法は何千年も昔からインド~中国~日本と地球人口の大多数が住む東アジアで、10億人、いやもっとかな? とにかく莫大な数の人柱の上で試行錯誤されて今に残っている「先人の知恵」の集大成みたいなものですから、我田引水的発想を排除しても、これを全く無視するのは何とも勿体ないことだと思いますね。

それに何千年も昔から有ったと言うことは早い話、昨今発達の著しい科学技術とは無縁の産物で、つまり最初から日進月歩する様な機器に頼らずに出来上がったアイデアですから、いくら時代が進み、科学が発達してもその信頼度には揺らぎがないのです。

確かにコンピューターで解析した様に精緻なデータは得られませんが、現状のままではどんな病気に罹りやすいか、病気に対する抵抗力や生命力は衰えていないかなど身体がこれから変化していく方向は容易に読みとることが可能です。

人間ドックで何も問題が無いと言われた方でも私どもが拝見すると「えッ、この人のどこが健康?」と言いたい人はいくらもいます。

現代医学のような高価な検査機器を使わず、これで健康状態が正確に測れれば非常に安上がりな訳ですが、成り立ちからして数値化も標準化も困難な上に「脈診」など診断する側の能力に依存する部分も大きいのが致命的欠点で、従って実際には有名無実となっています。

中国の伝統医学病院でも検査だけは現代医学を用いていますので、それだけ昨今の検査機器の発達に伴った現代医学の診断が優れていると言うことになるのですが、ミクロなトラブルはともかくもマクロな意味で身体の現在地と進行方向(未病を発見する)を知るためには、東洋医学の知恵も捨てたモノでは無いので、自分自身の健康状態を知る尺度として利用しない手はないと思いますよ。

また率直に言わせていただくと、西洋医学は我々に比べて内臓も筋肉もずっと強靱な西洋人を対象にして出来上がった医学ですから、大筋はともかくも細部では我々には当てはまらない部分も少なからずあると感じています。
私は「外人さん」を治療するたびに、日本人の患者さんとの体質の違いを痛感しています。(日本人と同じ感覚で身体を診ると誤診しかねません)
逆に云えば東洋医学の診断法は東洋人にこそもっとも価値が有るはずなのです。

実際のニーズが無いからでしょうが、紹介される事もほとんど無い様ですので、どなたでも出来る東洋医学的、健康診断法のエッセンスをご紹介しましょう。
中国医学の診察方法としては「四診」が有名ですが、これはプロの診断術ですから、ここではもっと分かりやすい方法を記します。
詳しく書くと本が一冊書けてしまう分量に成りそうですから、詳細は省いて出来るだけ簡略にします。
  手足はほど良いあたたかさを保っているか?
これは身体各部の熱バランスが取れているかどうかの考察です。(もちろん、風邪や炎症性の熱とは別の話です。)
「熱バランス」~この考え方がそもそも東洋医学なのですね。
西洋医学では単に体温が自律神経のコントロール下にあるというだけで、全身の熱(体温)分布と内臓機能の変化に対しての深い考察が見られません。
つまり「お腹を冷やしてはいけない」「冷たい物を食べ過ぎない」は東洋医学だけの知恵なのです。腹巻きをしている外人さんにはお目にかかりませんよね。東洋人は特に胃腸機能が西洋人に比べて弱いのでしょう。

人体が発する熱や体温はまだまだ十分な科学的解明がなされていない部分ですから、ここでは熱バランスを大まかに血液循環の善し悪しと判断して下さい
心臓から離れた手足が温かいのは血液循環が良い証拠、逆に手足の冷たいのは血液循環が悪いので「×」です。
血液循環が良いと血液が運ぶ酸素や栄養成分が十分に内臓を始め身体各組織に行き渡り、又CO2や不要な老廃物も速やかに排出されて、五臓六腑の働きが良い→免疫力、抵抗力が強い→病気に罹りにくいと想定します。
逆に手足が冷たい人は手足に流れるはずの血液が他の臓器に流れ込むので、他の臓器に余分な負担がかかります。
一般に手足が冷たい人は心臓や大脳に負荷がかかり、機能に変調を来しますので、小心でのぼせ易くなります。
この様な状態が長く続くと些細な変化で動悸が起きやすく、頭痛や耳鳴り、めまい、情緒不安や不眠などストレスに弱い体質のいわゆる肝っ玉の小さい人になります。
逆に云うと肝っ玉母さんの手足は温かいはずということになりますね。

顔は少しひんやり気味で、手足やお腹はほんのり温かいのが健康なあるべき姿なのです。
ご長寿の家系の人達の手に触れるとどの人も温かい手をしています。
温かい手足(血液循環が良い)は病気に罹りにくく、健康、即ちご長寿の第一条件なのでしょう。もっともこれは遺伝的要素が大きいことも物語っています。

しかし手足が「ほんのり」ではなく、手足の裏ばかりが妙に「ほてる」のは「煩熱」と表しますがこっちは「×」です。
手足が「冷たい」人よりも、この「煩熱」している人の方が自律神経の乱れが大きく、体力がありません。非常に疲れやすく、要注意です。
このタイプは中国医学では「陰虚証」と称しまして、手足の冷たい「陽虚証」よりも変調が大きいのです。
今は自覚症状が無くても仕事、睡眠、食事など日常生活の見直しや健康に向けた何らかの措置を採らねば成りません。
症状が出た場合は治りにくい病気として出ます。

  お腹のチェック
西洋医学の腹診は膝を立てて診ますが、東洋医学では原則、足を真っ直ぐ伸ばして故意に腹を緩ますことなく横たわります。
東洋医学ではお腹のチェックが最も大事!
お腹は何処を押しても適度に柔らかく、痛みが無いのが健康です。
ふんわりと軽く押してチェックします。
●みぞおちもお腹の真ん中も脇腹も臍下も何処を押しても痛くないこと。
●筋のように硬いところは無いか、シコリは無いか。
お腹に固いシコリがあるのは東洋医学では既に「病い」があると診ます。
●お腹の色は胸や顔に比べて黒くないか、色艶はあるか。
消し炭を塗ったように艶が無く黒いのは「×」
色が悪い場合は悪い色の内部にある臓器の機能が弱っている場合を考えます
●お腹がひんやり冷たいのはもちろん「×」
●上腹部より下腹部の方が少しだけふっくら肉づきが良いのが正常。
お腹と顔が同じ様な肉づき、様子をしているか。
顔に比べてお腹が貧弱、又はその逆も内部に「病い」が有る可能性が高い。
顔の印象とお腹の印象は同じなのが「○」
●腹に横筋、横向きのシワが入っていないか。
横シワは数が多く、深く長いほど病いが重いので、特に要注意。
滅多に見られないのですが、もしも固定した深い横シワを何本か発見したら、すぐに病院で精密検査を受けた方が宜しいでしょう。病は深く重いです。
●臍の形は凹んで奥行きが有るのが健康。臍の周囲を押してみて痛くないか。
臍が真上を向いているか? 腹の皮膚が臍の穴を覆っていないか、上腹部又は下腹部どちらかに開口部が偏っていないかを調べます。
(臍は腹筋が緊張している方向に引っ張られます)
●臍の拍動:動悸を調べる。臍にそっと手指を置いて腹が動悸を打っていないかチェック。動悸(拍動)の大き過ぎるのも全く感じないのもどちらも「×」。
拍動が大きすぎるのは一つは血管内圧が高い、動脈の異変、動脈硬化、高血圧などが考えられます。もう一つは腹の筋肉が板状に固くこっている場合、女性ではこっちの方が非常に多いのです。腹直筋が板状にこっていると血管の拍動が木琴を叩いたように腹を振動させるのです。この場合は拍動が長い帯状に響いて伝わります。
症状としてはストレス精神疾患として現れます。酷い冷えが長年続いてこの様な変化を起こす人もいます。
動悸を全く感じないのは貧血、低血圧などで血管内圧が異常に弱い場合と肥り過ぎ、で皮下脂肪が厚くて拍動を伝えない場合などが有ります。
僅かに拍動を感じる程度、「微動」が「○」です。
  お腹の主なチェックポイント
カタマリや板状、棒状のシコリ帯、圧痛、突っ張り、引きつり感を調べる。
★みぞおちから脇腹の引きつり、圧迫感、圧痛 (心臓、肝臓、うつ病や精神不安などの精神疾患他)
★みぞおちから下腹一帯の棒状シコリ(心臓、アレルギー疾患、自己免疫疾患、一般的難病)
★臍の真横3㎝程度の所のコリ、圧痛 (消化器疾患、腰痛、腰椎椎間板ヘルニアなど)
★臍とみぞおちの中間点の塊と圧痛(胃腸病 消化器疾患 )
★臍の真下3㎝から6㎝辺り:気海、関元=臍下丹田 重圧感、鈍痛 強い凹み(大腸、泌尿器、生殖器、腎虚など精力消耗など)
★この位置の本人からみた左側部分 塊 シコリ 圧痛 (婦人科疾患、便秘など)
  その他のチェックポイント
背骨を押してみて何処にも痛みがないか?
・腰を前後、左右にひねって痛みがないか?
・首を前後左右に回して痛みがないか?
・首が左右同じ確度に回るか?
・首を後ろに回して肩先にアゴが乗せられるか?
・手足にむくみがないか?
・食欲はあるか?
・空腹時にイライラしないか?
・空腹後にはドカ食いしていないか?(血糖のチェック)
・声は枯れていないか?
・話し声が小さくなっていないか?
・寝付きは良いか?
・熟睡できているか?
・いびきがひどくないか?
・顔面~顔色、眼などの変化
・舌苔は多すぎるのも少なすぎるのも「×」
 舌苔は白よりも黄色の方が要注意。
・舌の側面に歯形の凹凸が残っているのも血行が悪く「×」で要注意!

etc・・
                                              


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