★足の裏のシワ★ 名前 = 夏子 性別 = 女性 age = 30to39 メッセージ = こんにちは~ 足の裏はよくマッサージしますが、手よりもかなりシワがあるなあ~と思いまし> た。このシワはまだ増えるのでしょうか?それから、減る事もあるのでしょうか? |
夏子さんへ いやぁー面白いご質問を有り難う! まさにホームページ開設者冥利に尽きると言っても良いようなご質問ですね。 とはいうものの正直なところこんな事は真剣に考えたこと無いんですが、まぁ徒然なるままに身体ネタで遊びましょう・・・くらいの軽いノリ、成り行き任せでキーを叩いて行こうと思います。 まず足の裏、手のヒラ、同じ様な「裏モノ」はまだありますよ! 「頭のひら」つまり「顔」ですね。 顔は「頭のヒラ」じゃなくて「頭の裏」じゃないかという方がいるかも知れませんが、一応「顔」は「生き物」の看板ですから「裏」はまずいでしょう。 と言うことで「頭のヒラ」で行きましょう。 その繋がりで言うと、お腹は「背中の裏」という事になります。 手のひら、足の裏、頭のヒラ(顔)、背中の裏(腹)・・・これらに共通するのは、どれも屈側(内側に曲げられる、縮む側))で、つまり動いた分(時間、年数)だけ「シワ」が出来る側になります。 この面は反対側の背面に比べて、色が白く、肌目がしっとり湿度を帯びて、きめ細かい。 逆に伸ばす側(手の甲、足の甲、背中、頭)は動いたときに引き伸ばされるので、「裏ジワ」が出来にくいが、肌色が黒い。 肌色が黒いのはメラニン色素が多いためで、これは四つ足で歩いていた時代、当然に裸ですから、太陽に当たる部分が紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素が多くなった名残りでしょうかね。 そして手のひら、足の裏は同じく地面に裸足で直に触れて、四つ足で歩いていた名残りで、全身でももっとも「分厚い皮膚」をしています。 ちなみに足の甲の皮膚をつまみ上げる事は簡単に出来ても、足の裏の皮膚はちょっと困難ですからね。 この様に基本的には「シワ」は皮膚とその下の筋肉の動きや栄養状態などによって出来る訳です。 顔のシワも笑ったときに変化する「目の回り」、「目尻」や飲食や会話などで動かす「口まわり」が、最もシワに成りやすい部分ですね。 ですからご質問の「足の裏のシワ」も歩かないと当然減ります。 生まれつきの障害などで歩けない人は足の裏のシワも非常に少ないです。 そうするとおそらく「綱渡り芸人」の足の裏は複雑なシワが入ってるんじゃないかなぁ。 足の裏に目があるくらいに微妙に足の裏で全身のバランスを図る訳だからね。 確かめた訳ではないから事実は分かりませんが・・。 しかし「シワ」の量は動いた量以外には、実は遺伝的要素がずいぶん大きい様です。 皮下組織の脂肪量、表皮や真皮の厚さも生まれつきの個人差がある様で、つまり同じように動いたところでシワの量は違ってくるらしく、シワの少ない人は兄弟を見ても同じようにシワが少ないケースが多いそうです。 おそらく年齢の割に顔のシワが少ない人は足の裏のシワ、手のヒラのシワ(手相で対象にする)も、つまり身体全体のシワが少ないはずです。 又遺伝だけではなく生活習慣や栄養状態でも皮膚の厚さが変わってくる事が昔から様々な実験で証明されています。 このような実験にはよく「一卵性双生児」が実験対象にされていますが、例えば同じ一卵性双生児でも喫煙をする方はそうでないもう一人よりも皮膚が薄く、シワが多い顔になっていたのです。 喫煙は皮下の酸素を少なくするらしく、皮膚の栄養状態を悪くするのだそうです。 ・・という事柄からも皮膚の栄養は多い方がシワは出来難く、つまり普通は「太った人」の方が「痩せた人」よりも全体に「シワ」が少ない事になります そして言うまでもなく「加齢」「老化」はシワの大敵ですね。 これは皮膚の三要素(表皮、真皮、皮下組織)の中身(細胞)が年齢とともに徐々に変化してしまう訳で、これは今も正確なメカニズムが解明されていない生命の不思議の一つです。 以上をまとめてみますと、足の裏に限らずシワの分量は皮膚の栄養状態(老化も含めた)、その部分の運動量で決まるが、遺伝的要素も可成り大きい~ってのが結論ですかね。 ちなみに「ツボ探検隊」らしく中国医学的に説明しますと、前記のシワの多く出来る裏部分は一応「陰」と呼び、四つ足で歩いた時の太陽に当たる部分「背」の部分を「陽」と区分けします。 中国医学では一般に相反する二つの要素を「陰陽」で表現し、この「陰」「陽」両面の力が等しくバランスが取れている時に 「健康」が得られると考えるのです。 発熱など身体のエネルギーが弾けた状態には「陽」部分(後頭部、背中、手の甲、足の甲など)のツボを使って熱を体外に発散させて鎮静化を図り、逆に弱った身体に元気を付ける時は「陰」部分(主にお腹)のツボに熱を加える(お灸ですね)などして「陰」の力を補うようにします。 つまり「手のヒラ」や「足の裏」のツボ刺激は身体の元気のない時に用いるのに相応しい事になります。 その為に一般的なツボ治療の順番としてはまず「裏」である「陰」部分(顔、胸、腹など)の刺激で力を付けた後に、表の「陽」部分の刺激を行い、全身の調整をします。 逆に脳梗塞などの発作直後の治療は、前述した身体エネルギーが脈管の塞がりで行き場を失いショートした結果だと想定し、手足の「陽」部分のツボを使って鎮静化を図る治療を真っ先に行います。 つまり「陽」部分のツボを使って閉塞したエネルギーを速やかに「放電」させるのです。 すっかり「放電」が済んだ後に「陰」部分のツボを使って新たに身体を養います。 ですからこの様な急激に起こった症状には「陽」のツボから始めて、いったんは鎮静化させて一段落を図り、その後に「陰」のツボを用いて損なった元気を補います。 しかし鍼灸治療に訪れる大多数の慢性病などの方の場合は、前述通りに「陰」のツボでまず力を付けた後で、「陽」のツボで全体の調整を図るのが大まかな順序になります。(もちろん多くの患者さんは「例外」(?)だらけで一概に言い切れませんが・・・) 実は全身の何百も有るツボもこの様に裏部分「陰」の身体にエネルギーを貯める=「充電」する作用を持つツボ群と、表部分「陽」のコントロールを欠いたエネルギーを体外に「放電」させる働きを持つツボ群、という風に大きく二つに分ける事が出来るのです。 激しい急性症状を抑える「陽」のツボ、身体を元気づける「陰」のツボ、言い換えると身体の裏一帯はチャージングする為の「充電器」、表一帯は「放電板」って事かな。 ※私たちの身体(健康)にとってこの様にエネルギーの「充電」=陰と「放電」=陽とをバランス良くコントロールする事が非常に大事であると言うことを強く訴えているのが中国医学の一つの大きな特徴です。これは西洋医学には無い考え方ですが中国では数千年前の古典医書から繰り返し述べられている大切なポイントです。 以上の事柄はあまり聞き慣れない理屈だと思われるでしょうが、実は私たちも無意識にこのことを利用した行動を取っているんですよ。 例えば興奮して怒りのエネルギーの持って行き場を無くした人を落ち着かせる時、どうしていますか? 「まあまあ落ち着いて!落ち着いて!」なんて言いながら体中で一番大きな「陽部分」である「背中」をせっせとさすってません? 間違っても「お腹」を触って落ち着かせようとはしませんね。 これは背中をさすって怒りのエネルギーの「放電」を無意識の内に図ってる事になるんです、不思議なことに! もっと言うと、こんな時に頻繁に私たちが「さすっている」背中の上の背骨の辺りこそが、「大椎」(だいつい)といって鍼灸治療でもっとも「放電力」=「解熱力」が大きいとされている「下熱のツボ」の場所なんです。 まあなんて言うか 「足の裏」からはけっこう発展してしまいましたが、「裏と表」だけをテーマに身体を考えてみても結構面白いもんだよね、ホント! だからこういったちょっと変な質問が大好きなんです、わたくし。 |
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