院長 :郭新志(小児科医師) 

   郵便番号:030006
   中国:山西省:
   太原市学府街高新技術開発区301号
   電話:中国 0351-408-3857
太原市について:
病院のある太原市は山西省の省都で人口約320万人、炭坑地として有名な都市です。この地域は古代黄河文明発祥地で、広い中国の中でも最も歴史の古い、遺跡の宝庫ともいえる所です。中国の古代遺跡の少なくとも50%以上はこの山西省にあるそうです。
太原は2400年前、「晋」の都であり、かつては中国大陸の中心都市だったのです。
現在も車の地域ナンバープレートは「晋」に成っていて、中国史好きの私は、ちょっと嬉しかったです。
「武蔵」「甲斐」「尾張」「なにわ」とか、日本でも昔の地名が車のナンバーに使われていますね。
ちなみに有名な女帝「則天武后」はこの太原出身です。
地理的には北京の南西約600㎞、北京とかつての唐の都、長安(現;西安)を結ぶ中間点にあり、交通の要所としても有名です。中国史好きにはたまらない地域で、雲崗石窟寺など見所が多く、又日本の浄土宗、浄土真宗の本山もここにあります。日本から同宗の僧侶が度々訪れているそうです。
北京とは東京、大阪間と同程度の距離で、飛行機で1時間、上海からだと2時間かかります。ちなみに北京へは関西空港からだと約3時間です。

●病院について:
この病院は脳性麻痺やてんかんなど脳に障害を持つ子供達の治療やリハビリを専門に行っている病院です。
治療項目は鍼治療を主に、穴位注射(ツボに注射を打つ)、生薬治療、高圧酸素、マイナスイオン治療、指圧按摩、経絡マッサージ(ツボマッサージ)、言語訓練、運動訓練等々、21種の治療法を行っているそうです。
一つ一つの治療法は決して珍しくはありませんが、一カ所の病院でまとめて行っている所は私の知る限り、他には無いと思います。
中でも始めて見たのは「言語訓練」です。おそらく日本で同じ訓練をしている所はないでしょう。
「言語訓練」と言っても、話し方を訓練するのでは無いのです。
この病院で治療を受けているのは、症状が重くて言葉を話せない子供達ですから、治療が進んだ将来、言葉を発し始める日のために行っています。
舌や声帯、顎など言葉を話すために必要な組織の硬直や衰えを防いだり、舌の動きを柔軟にする、首やノド、口角、顎関節の指圧やマッサージ、舌の訓練です。
特に舌の訓練には細い木のヘラを口の中に入れて、このヘラに舌を絡ませて、様々な方向に圧したり転がしたりして、自分の意志で動かせる時のために舌を自在に動かせる様にトレーニングしています。

治療の主軸は鍼治療です。 頭鍼、(顔)面鍼を主に眼鍼、体鍼が加わります。部位として微妙な眼鍼は院長だけが行っていました。
「脳に障害がある」と言っても、まったく意識の無い子供から、表面的にはほとんど障害が見えない子供まで、個々で脳の損傷部位やレベルが限りなく違うわけですから、治癒率を一概に論じることは出来ないでしょうが、有効率だけでいえば97%を越えているそうです。
この度、見学させて頂いた限りで言えば、言葉を話せる子がほとんどいなかったり、意識が無く寝たまま、という重症の子供もいて、少し驚きました。
もう少し軽症の子供達が多いかと想像していたのです。海外から来ている子供も多くいました。
決して、お金持ちの家の子供達ではなく、自宅を売却したり、大きな借金をして来ている人が多いそうです。
どなたも必死の覚悟で来ているのです。両親のみならず祖父母、両親の兄弟姉妹、叔父や叔母までが付き添って来ているケースも多くて、如何にも中国的だと思いました。



※治療の様子は全て、ビデオで接写撮影させて頂きましたが、患者さんのプライバシーを守る意味でも、HPでの公開はしないで下さいとの事でした。その為に治療中の静止画写真が少なくなりました。


頭に刺す鍼が鍼治療の主軸で、刺すと直ぐに10回ほど撚鍼し、刺したままでしばらく置きます。刺す時は痛くても、後は痛まないものです。

頭に鍼を刺して、様々な病気を治す鍼治療を「頭鍼療法」と言い、この地の脳神経科医;焦順発氏が最初に考案しましたが、その後、他の医師の開発も相次ぎました。日本では上海出身:朱明清氏の「朱氏頭皮鍼」が有名です。
郭院長は医学生時に焦先生より、直々に教授され、焦先生の開発した頭鍼法で治療されています。

焦先生の頭鍼理論は頭皮上に「大脳皮質を投影」して、施鍼部位を決め、治療するのに比べて、朱先生の理論は耳針療法のように、頭は「全身の身体を投影」していると想定して治療点が定められています。
焦氏理論は脳の解剖学的視点からの発想で現代医学的、朱氏理論は「部分は全体を象徴している」という考え方なので東洋医学的ですね。

顔にも鍼を刺しますが、全て刺した後で、こちらも1本ずつ10回程度撚針しますが、置かずに直ぐに抜いていました。
やはり、顔の鍼はどの子もひどく泣いていました。
治療の意味が分からない子供達には鍼の痛みよりも、むしろ恐怖心の方が強いかのような泣き方でした。
手の麻痺が強い子には、手にも多く刺していました。
テレビのモニターの様に見えるのは、マイナスイオン発生器で、日本製品です。
鍼を刺した状態で、この機器から、マイナスイオンシャワーを浴びると、特に睡眠の質が向上するそうです。
逆に元々、眠りすぎる子は、一日中眠ってしまうので、この治療は適さないそうです。
穴位注射です。「穴」とは「ツボ」の意味です。
ツボの位置に注射を打つのです。
ツボ刺激効果と注射液の薬理効果の両方を狙ったものです。
院長が開発した生薬製剤、筋肉栄養剤、ビタミンB12などだそうです。
生薬の本場、中国では、医師自身が新しい薬の開発を行うケースが珍しくないのです。

高圧酸素療法

酸素は最近ではアメリカ発で日本でも「酸素バー」なる店もできているほど、脳の疲労回復に良いとされています。

ハンカチ王子こと斎藤選手も、甲子園で連日の対戦後には、連夜、高圧酸素ボックスに入って、疲労を回復していたことでも、この高圧酸素療法は有名になりました。




マッサージ、機能訓練、

ツボマッサージ
(詳細を撮影した、ビデオからカットしたので、見苦しい写真になってしまいました。)
日本では行われていないタイプのマッサージです。
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