★「問診」について(橋本病に関してのご質問より) ★

名前 = ******
性別 = 男性
age = 30to39

メッセージ = 橋本病(甲状腺ホルモンがでなくなる病気)に効くツボはありますか。



***** 様へ
まず結論から先に申しますと「橋本病」そのものは所謂、家庭で出来る簡単なツボ療法での回復は困難です。

所謂「ツボ療法」という簡単な方法は「肩こり」や(この場合は他に病気が何もない「単純性肩こり」に限られます。)

同じようにに単純筋肉疲労性の「腰痛」などなど、全て他に大きな病気のない人の「症候」を緩和させるものです。

「橋本病」のように自己免疫疾患という全身病の場合、一つ一つの「不定愁訴」を丹念に治療しながらも、同時に全身の機能の歪みを正す視点を持って治療を行う、「二本立て」の治療方針を必要とします。ですから専門家(鍼灸師)の臨機応変な診断と治療が求められるのです。

治療効果がどの程度現われるかは、貴方の甲状腺機能の残存状態や、この病気は遺伝的素因もかなり考えられますし、(中国医学的には「先天の本」と言いますが。)
体質によっても違いますが、適切な治療を得られれば良い方向に向かう事は間違いないと思います。

又、生薬(漢方薬など)を併用すると良い結果を得られる病気ですが、貴方に合わせた正確な処方を必要とする為にこれも正規に生薬を勉強した「漢方医」=日本伝来の生薬を勉強した医師、又は「中医」=中国医学の生薬を勉強した医師、に「四診」により診断してもらって下さい。





松岡鍼灸院様へ

できましたらツボ療法を自分自身でやってみたいと思いますので、お教えください。 よろしくお願いいたします。



**** 様へ

まず最初に知って頂きたいのですが、全身病の場合ご自分でツボ治療をされるのは大変難しいのです。(貴方の場合は特に難病でもある自己免疫不全疾患ですので余計ですが)

何故なら、ツボ選定の難易度の高さに加え、身体はツボ刺激に反応して即、変化を次々と起こし始めるからです。

特にツボ刺激を経験したことがない人の場合、身体は全く新しい刺激に会い大きく動く、(変化する)可能性があります。

(この場合は必ずしも良い変化ばかりとは限りません)
その際にはツボの位置や形状も同じく変化しますので、治療の度に身体の変化した状態に応じてツボを変えなければならないのです。

実はこれが大変難しいのでプロ(特に腕の良い鍼灸師でないとダメでしょう)に任せるべきだと最初にお答えしました。

全身病の場合は長いスパンで次々とツボが変化を繰り返しますので、その都度現れたツボを、的確に一つずつ攻略しながら、少しずつ身体をあるべき姿に持っていくよう方向付けます。
つまり全身の歪みを正すのですね。

(病名で治療のツボが決定し、固定するのではないのです)

ですから取りあえずツボの位置を私が記しましても、それはその時のツボであってしばらく刺激を続けたら又、別のツボに変えなければいけないと思って下さい。

東洋医学(中国医学など)は西洋医学の病名で治療法が決まるのではありません。(診断基準が全く違うのですから)
貴方の場合、難しい病気ですのでメールで「ツボ」をお伝えするにも、まず「問診」が必要です。

本当は切診(舌診、脈診、腹診など身体を実際に触る)、望診、聞診と四診の全てが解らないと治療方針が決められませんが、メールでは「問診」以外は出来ません。

それで、おおよその現在の貴方の身体状況を判断します。

1,空腹感(ある、なし 空腹感があっても実際には食べられないなど、)

2,食欲(ある、なし)

3,食後(腹が張る、眠い、胸焼け、胃液が上がる感じ、吐き気、便意をすぐ催す、など)

4,水分摂取状態(ノド乾く、冷たい又は暖かい飲み物を欲しがる、のどが乾くが飲みたくない、など)

5,排便(便秘、下痢、軟便、すっきり出ない、排便の最後が軟便、便秘と下痢が交互、など)

6,排尿(回数、尿量、色、残尿感、夜間尿の有無、尿の切れ、など)

7,睡眠(寝付き、夢見が悪いか、眠りの浅い深い、寝汗など)

8,精神状態(憂鬱、不安、驚き易い、言語能力の低下の有無、やる気、決断力の有無、など)

9,身体の状態  (だるい、汗かき(何処にかくか)頭痛、肩こり、腰痛、足腰の重み、めまい、首の凝り、唇が乾くか、動悸、息切れ、風邪ひき易い、皮膚カサカサ、手足の冷え、又は火照り、手足の指先の皮膚の堅さ、口臭、むくみのあるなし、など)

10,これ以外の随伴症状

もうお分かりだと思いますが、同じ「橋本病」の人でも以上の問診の結果は、まず同じではないはずです。

これに、望診(舌の状態=苔、色、厚み、なども含む)
聞診、切診(脈状、腹の各部分の堅さ、身体各部の筋肉、皮膚の状態)の情報も加わりますからね。
病名が同じ人でも全ての情報が同じ人は、まず考えられません。

この様に西洋医学では余り問題視しない一見微細な情報も中国医学では大変重要な診断基準の一つとなります。

従って鍼灸の治療法もそれらの情報に順じますので当然一人一人違うのです。

病名は(西洋医学の)同じでも治療の仕方が違うとはそう言う事なのです。

そしてこれらの状態は治療を続けるに応じて少しずつでも刻々と変化しますので、
(そしてその変化の度合いも又、一人一人違って来ます。)
その都度治療のツボも変わるのです。

と言うことですのでまず以上の1~10の質問にお答え願います。

それに応じて(切診の情報がないのでアバウトに成りますが)ツボを選定します。

 松岡鍼灸院




松岡鍼灸院様へ

返信を頂きまして、有り難うございます。身体の大体のレベルを判断をお願いいたします。
1,常に空腹感あり

2,食欲ある

3,食後満腹感がなく、眠い

4,ノド乾き、冷たい物を欲する

5,排便はすっきり出ない時もある

6,排尿の回数は、1日に約10回程度(夜間尿は2回)で色は薄い

7,睡眠については、寝付きがわりく、眠りが浅い、夢見がわるい

8,精神状態については、憂鬱、不安、やる気がでない、いらいらし、だるい

9,身体の状態については、
だるい、肩こり・腰痛がある、唇が乾く、皮膚カサカサ(特にかかと)

手足が冷える、首が凝る、手の指先の皮膚が堅い

よろしくお願いいたします。



***** 様へ

早速ですが, まず問診からだと血糖値異常がないか気になりますが(空腹感、のどの渇きなどから初期の糖尿病の疑いがあります)取りあえず第Ⅰ期の「ツボ」名6カ所(左右で12カ所)を記します。
ご自分自身で押す事が可能なツボだけにしました。
必ず押してみて、何らかの異感覚と凹みが有ることを確認して下さい。
「ツボ」は概念ではなく実在する事をご自分の指で感じて下さい。
画像ファイルを添付しますのでプリントされることをお奨めします。
まず下記のツボ群を1クール約2週間毎日1分~2分間指で押して下さい。
その後の身体の変化に応じて第Ⅱ期のツボの選定に入ります。
今回のツボによる全体の治療目的は以下の通りです。

●本来の免疫機能へ向けて、身体の上半身と下半身のエネルギーバランスを取る。
●体力(肝腎を強める)を付ける
●気の鬱屈を取り、気分を良くする(睡眠、精神状態の改善)

①「合谷」=手の甲の親指と人差し指の骨を辿って交わる所。 押して鈍い痛みがあるか確認。
  ※ 目的=甲状腺、及び上半身の調整。


②「太衝」=足の親指と人差し指の間を辿り二つの骨が出合う所
   ※目的=睡眠、精神状態の改善、
     「三陰交」と一緒に取ると腎機能を上げ身体に力を付ける(だるさを改善)
   「合谷」とセットでは「四関」と言う。
      身体全体のエネルギーの流れをプラス方向に変換させる。


③「三陰交」=内くるぶしの中心より約三指分上った所

   ※目的=腎機能の改善(例、夜間2回の排尿を減らす)
       下半身の血行改善~手足の冷え、腰痛(腎虚的腰痛の場合)


④「足の三里}=場所が分かりにくくてちょっと取るのが難しいツボです。
      向こうずねの骨の膝下から指幅3本分下がった所
      骨の筋の間で押すと鈍い痛みがあることで確認する事

    ※目的=万能的ツボ。消化器全体の調整。血行の促進。      
     「三里」とは上腹部、中腹部(ヘソ周辺)下腹部の三ケ所をまとめて治療する意味で
        「里」とは「理」の略で「まとめて整える」という事


⑤「内関」=手首内側中央、指幅2本分の所

     ※目的=身体と脳のバランス機能の衰え(不安、憂鬱、イライラなど)を調節。
    「内臓の関門」という意味のツボ


⑥「周栄」=脇の切れ目の上右側、必ず押してみてグンと痛みが鈍く響く所を探すこと。

     ※目的=上半身と下半身の血流のバランスを改善。
          鬱屈、渋滞した気分を癒す。寝付き、安眠を促す。


  ツボは丁寧に場所を押しながら探して下さい。







    

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