世界でたった一つ、オンリーワンの病院



言うまでもなく世界には様々な医療施設、病院が有ります。
診療科目や小児など対象年齢による分類以外にも国公立、私立(医療法人)、キリスト教など宗教系、共産党などのイデオロギー系の病院などなどその設立母胎も様々です。
日本では医療施設まで明確に貧富の差で分ける習慣は一般には有りませんが、欧米には貧しい人達だけを安価な費用で診る福祉病院や逆に金持ちだけを相手にした豪奢を極めた医療施設も多々有るそうです。
しかしそんな風に様々な病院が世界中に有ったとしても、おそらくここでご紹介する病院は「世界にたった一つの病院」に違いないと思わせられる非常にユニークな施設です。設立母胎は北京市の紅十字会、つまり中国赤十字会で、所長は日本でも気功家として著名な萬蘇建氏です。氏は山東省の歴代医家出身の元人民解放軍病院の著名な軍医であった方です。
先ずこの病院は医療を行う、いわゆる「病院」機能と同時に実は何と親のいない子供達を養育する「孤児院」でも有るのです。そしてこの「孤児院」で育っていく子供達は全員が医学を学び、成人後には全員が医師と成って各自が社会に巣立っていきます。
施設に住む子供達はここから医科大学に通い同時にこの施設でも中国伝統医学を学びます。施設の運営費用は中国赤十字会、病院としての医療収益、華僑をはじめとした様々な人達、企業などからの寄付、既にここを巣立って医師として各地で働いている人達からの寄金などだそうです。ユニークなこの施設内の建物も多くはここに暮らす子供達の手で築かれたそうで、色鮮やかな内装は独特の雰囲気を醸し出しています。
赤十字活動の施設として考えても大変にユニークな施設であろうかと思います。
治療のご予約などは以下の電話から連絡をお取り下さい。
場所;北京市石景山区金頂山路19号 
  
電話:中国北京010-88729330

歓迎式より
歓迎式より
私が神戸で毎月一回の養護施設(孤児院)慰問のボランティアを10年近く継続している事から招待されたらしいです。
(もっとも当初はなぜ招待されたのか分からず、その事は後から聞いたのですが・・。)
一歩施設に招かれるや否や次々と繰り広げられる歓迎儀式のオンパレードに只々呆気に取られるばかり。日本人が来ると言うことで特別に「北国の春」が演奏されました。
中国を旅すると様々な所で歓迎の意味でこの曲を演奏して頂きます。日本の歌イコール「北国の春」 の様です。
始めて旅に同行した息子は「何でどこへ行っても”北国の春”ばっかしなん?」と首を傾げましたが、都会へ出稼ぎに出ている人が多い事、農村と都会との格差が大きい事、家族への帰属意識が非常に強い事・・等々でこの歌の世界は日本よりもむしろこの国でより共感を持って迎えられているのでしょう。
我々の為に様々な楽器を演奏してくれるのも、太極拳や気功、少林寺拳法の演武も全てここで学んでいる医師の卵でもある孤児達です。

ここに暮らす孤児達は主に改革解放による経済発展に取り残された貧しい内陸の農村から来ています。
中国で孤児が多く発生する仕組みは構造的貧困以外にも一人っ子政策の歪みがあると言われています。
もちろん全員が医科大学で学び「医師」として巣立って行くのですから、、各地の孤児院に保護されている子供の中からオーディションによって選ばれた優秀な子だけが来ているのです。
この施設で学ぶことを許されるのは応募した孤児の約8人に一人だそうです。
この施設では鍼灸や生薬の中医学以外に「気功治療」を主に行っていますので、彼らは全員が気功訓練を行って気功師と成っているそうです。
知的能力は当然としても全員参加の歓迎パフォーマンスで示して頂いた並はずれた運動能力、容姿なども重要な選考基準であることが察せられます。
巣立った子供達は収入の一部をこの施設のみ成らず元の孤児院にも寄付をして他のここに来られなかった、選ばれなかった孤児達にも高等教育の機会を与えているそうです。
一般に孤児院で育つと「負の連鎖」で社会に貢献できる人材は育たないとされていますが、何とかこの通例を打ち破るシステムとして定着して欲しいと切に願うばかりです。
子供達を観察してみますと、どの子からも痛々しいほど持てる能力をMAXまで引き上げて必死で頑張っている様子が伝わってきます。
もし奥地の孤児院で育つと義務教育すら満足に受ける事は出来なかったはずで、それは誰よりも彼ら自身十分に理解しているからなのでしょう。
漫然と座って見ているのが申し訳ないと感じるほどの一生懸命さで約1時間、数々の演技を披露してくれました。


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