名前 = N 性別 = 男性 age = over50 メッセージ = 特定の筋肉を肥大化/強化させるツボというものはあるのでしょうか? 要するに、ボディビルダーが聞いたら泣いて喜ぶツボはあるのでしょうか? |
こんにちは、ツボ探検隊です。 返信が遅れまして、誠に失礼いたしました。 まず、私たち鍼灸師は仕事でアスリートの治療を行う事も多いのですが、治療の基本は問題を起こしている筋肉に直接鍼を刺して、状態に応じた手技(撚鍼、震旋、回転等々)を行い、損傷を癒して健康な筋肉に戻し、その後で適切な発達を促すのです。 また一般的に言う、アスリートでは無くても、特定の筋肉を激しく使う、ロッククライマー、ダンサー、楽器演奏者などのメンテナンスにも鍼治療は幅広く用いられているんですよ。 しかし、正直なところ、病んでもいない、萎えてもいない健康な筋肉を、必要以上に発達させる目的で鍼を行った事は有りません。 そこを敢えて、特定の筋肉を発達させようとすれば、やはり目標とする筋肉に直接働きかけるのが一番のはずですが、元来のツボの働きは弱っている部分を元の健康な状態に戻すもので、そもそも、健康な筋肉には本来の「ツボ」と呼ぶ、特有の凹みや穴が発現しないのです。 「ツボ」とは離れて、目標の筋肉に発達を促す鍼を刺したとしても、健康な状態であれば、脳が刺激に敏速に反応しないことが考えられます。 そもそも、皮膚や筋肉を刺激する刺激療法は脳を介して作用するものですから、極端に身体のバランスを欠いた方向への働きはしないはずなのです。 ・・・・・・・という様なツボ事情を全て踏まえた上で、 それらを無視して、特定の筋肉を発達させようとするには、脳をだます方法しか無い事になります。 「脳をだます」とは物騒な表現ですが、早い話、目標とする特定の筋肉が「病んでいる」もしくは「のっぴきならない状況に置かれている」と脳に認識(誤解)させるのです。 具体的には、 ①誰もが知っている筋肉に負荷を掛ける方法(のっぴきならない状況)と、 ②筋肉が傷付いている、損傷している~急激に修復する必要があると、脳に思わせる方法(病んでいる状況)です。 ①の方法は既に日進月歩、世界中で様々なアイデアが生み出されて、日常的に行われている、ごく普通の筋肉強化法です。 ②は、それに比べると、もうちょっと奥が深い方法ですね。 さあ、これには、どんなアイデアがあるでしょうか? 実は、ここには、正に鍼灸医学の知恵が生きてきますよ。 鍼、火鍼、刺絡、瀉血 お灸、吸い玉などなど、鍼灸のツボ治療手段はどれも使えるはずなのです。 ●発達させたい筋肉上に鍼を刺したままの状態にして、負荷を掛けて運動させる。 ●お線香の先に火を付けて、発達させたたい筋肉上に接触させて、小さな火傷を造りながら、当該筋肉の運動をする。 ●安全ピンの針先をガスライターで充分に焼いて消毒し、ちくっと刺して出血させて筋肉を使う。 ●静脈が不自然に浮いている部分を探して、同じ方法で出血させる。 ●吸い玉をかけた状態で、筋肉を運動させる。 傷や火傷、出血など皮膚上に起きたこれらの変化は脳にとっては、早急に修復しなければ生命の存続に関わる一大事と認識されますので、問題を起こしている所に一気に血液が集まります。 血液には酸素や様々な栄養分が含まれている訳ですから、この時に運動を行うと、より多くの筋肉の発達を促すエネルギーが集まると考えられます。 但し、感染は大敵です。前後に充分な消毒を行って下さい。(自己責任でお願いします!) また中国医学では 肝臓が筋肉を司るとされていますので、肝臓の強化も心がけると万全でしょう。 |
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