その他の質問
★どうして健康保険がきかないの?★

 実はこの質問のみをされた方はいないのですが、多くの方々が質問の最後に付け加えて尋ねられましたのでこの欄で改めてお答えしたいと思います。

健康保険は決して利かない訳ではありません。

しかし、鍼灸を一つの「医学」とする感覚は厚生省にはないのです。

あくまで鍼灸は病気の補助的治療法という認識しか持っていませんので、健康保険が効く病名は限られています。

①神経痛、②リウマチ、③頸腕症候群、④五十肩、 ⑤腰痛症、⑥頸椎捻挫後遺症、医師の診断の結果、上記の①~⑥の病気で診断書が発行されれば、保険治療が受けられます。

健康保険の有効治療期間は最高6ヶ月です。

補助的治療程度の認識ですから厚生省の設定では1回の治療費は1300円です。
(患者さんの支払い額は2割負担だと260円ですね)

接骨院や整形外科病院ですと薬剤(塗り薬や湿布薬など)を使ったり、電気や他の物理治療を含めた治療を行う事が出来ますので、一つ一つ加算されトータルでそれなりの金額になるのですが、鍼灸専門院では普通は他の治療法を用いませんし、上記の医療施設に比べて、技術者が直接患者について治療を行う時間が一人当たり数倍(約1時間前後)になるので、1日フルに責任を持って診られるのは10人位になりますから、 1回の治療費がトータルで1300円ではすべての経費をペイ出来ません。

しかも、前記の 6種の病気のみでないと正式には保険診療が認められません。

鍼灸治療法はこのホームページでも再々述べているのですが、本家の中国はもとより、欧米でもむしろ内科領域の病気に使われることも以外と多く、鍼灸を勉強されている欧米の医師も内科医が圧倒的に多いのです。

(各内臓疾患、心臓病、糖尿病、各種アレルギー疾患、などの慢性病、薬剤(麻薬)中毒、エイズなどの治療に実績を上げています。)

欧米でも鍼灸が行われている事はご存じの方も多いでしょうが内容は日本と全然違うのですね。

どうも彼らは生薬を使う中国医学の特質から鍼灸も内科疾患の治療法と思ってたらしいんです。

西洋医学も慢性病に関してはこれという切り札を持っていませんから、本来ならば、この分野でこそ鍼灸がむしろ切実に選択されるべきで、この点に関しては日本よりも海外の方が代替医療として適切に鍼灸を機能させようとしています。

(勿論、前記の整形外科領域の症候にも大きな効果がある訳ですが)

①厚生省の健康保険の治療点数設定が大変低いこと、②代替医療としてもっとも鍼灸の必要な分野に保険の適応が認められていないこと、
この2点において結果的に多くの鍼灸院で保険が採択されていないのです。

※ご存じのように日本は健康保険行政の恒常的な赤字負担に悩まされていますが、老人人口の急激な増加も考えると
(老人は鍼灸などの東洋医学の方が適応する病気に罹りやすい、言い換えると老化現象に伴う各症状の緩和には東洋医学の方が効果的である場合が多い)

高価な薬剤も使わず副作用の少ない鍼灸医学は結果的には治癒までの費用負担がたいそう低くて済むのです。

東洋医学の全面的保険負担の実現こそ長い目で見た場合、赤字削減の解消策と私は考えています。

現に公的保険がないアメリカは保険会社もビジネスですのでシビアに両医学の治癒までの経費をチェックをしています。

その結果、同じ病気でも鍼灸で治れば支払い保険料が大変安くなると解ってきましたので保険会社からのオファーで鍼灸治療を受ける人が徐々に増えています。
      


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