引きこもり状態の改善には実はツボ療法は大変効果がありますので、針灸師の方々にも是非とも挑戦して頂きたいと思います。 鍼治療を進めていると患者さんの性格が明るく変わってくる事に気付かされます。顔付きが変わって笑顔が増えてきます。「体質」がすっかり変わると実は驚くほど「性格」も変わるのです。 この様な事実を見ていると、育った環境以上に遺伝による影響が大きいと思われていた「性格」も実は遺伝によるのは もっぱら「体質」であって、「性格」はその「体質」がもたらした単なる「副産物」だと考えるべきかも知れないと思うのです。 「我思う。故に我有り」は旧世紀の哲学で今や「我思う。故に我の身体有り」とするべきなのかも知れません。 より深い意味での”ボディ・バランス”を保つことは性格を前向きに明るく保つ秘訣とも言えますね。身体と精神状態から4つのタイプに分けて引きこもり治療のツボを紹介します。

気分うっ滞型
(肝気欝滞型)
日本人は遺伝子的(人種的)にこの肝気障害タイプが一番多いと思われますので、よくわからない場合はこの①気分うっ滞型を選択して下さい。

過ぎた事にくよくよする 精神抑圧 頭が重い
頭痛  胸やわき腹が張って苦しい ため息が多い
イライラ感が強い 動悸が起きやすい 夢見が多い
驚きやすい 胸のむかつきがある 口中が粘っこい(口が悪い)
脈=
滑らかでピンと響いている感じ

舌質=
粘っこく薄黄色
生命力減少型
(腎虚型)
胸騒ぎが激しく眠れない 夢見が多い 驚きやすい
頭が重い 耳鳴り 動悸 記憶力減退
のどが渇く 足腰がだるい 手足の裏が熱い
遺精 インポテンツ 
脈=
細く速い

舌質=
紅く苔が薄い
心臓・胃腸
両機能減退型
(心脾両虚型)
不眠 夢見が多い すぐに目がさめる
動悸 物忘れが多い 全身がだるい
食欲が無い 顔色が黄色い(特に口の周りが黄色い)
疑い深く、涙もろい 
脈=
細く弱い

舌質=
苔は薄く白っぽい
気血不足型 頭がふらつきやすい 動悸 不眠 貧血
口数が減る 呼吸が浅い 顔色が青白い
脈=
細くて弱々しい

舌質=
色が薄く苔も少ない


各タイプ別治療のツボ 
 ツボの画像は下段にまとめて掲載しています

①気分うっ滞型 ②生命力減少型
①安眠(あんみん)
胸鎖乳突筋の停止部。
乳様突起下の陥凹部より約1センチ前耳たぶの後ろ約2センチほどにある凹み
②風池
(ふうち)後ろ髪の生え際の下で、首の大きな筋(僧帽筋)の両外側
③神門(しんもん)
小指側手首の横筋の上(豆状骨の上方)

④内関(ないかん)
内側手首の横紋から上に向かって指幅2本分上がった所

⑤期門(きもん)
乳首の真下で 第六肋骨の間
⑥足三里(あしさんり)
むこうずねの骨の外側を膝から3寸(約5~6センチ)下がった所

⑦太衝(たいしょう)
足親指と人差し指の間をたどり、二つの骨が出会う所
①安眠(あんみん)
②神門(しんもん)

③心ゆ(しんゆ)
第5胸椎棘突起下の両側約3センチの所

④腎ゆ(じんゆ)
第二腰椎(腰のくびれた所)
棘突起下の両側約3センチの所


⑤太谿(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間の陥凹部
③心臓・胃腸両機能減退型 ④気血不足型
①安眠
②神門
③内関(ないかん)
内側手首の横紋から上に向かって指幅2本分上がった所

④脾兪(ひゆ)
第11胸椎きょく突起下の両側約3センチの所

⑤三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの上約5センチの所 腓骨内側面の後縁

⑥足三里(あしさんり)
むこうずねの骨の外側を膝から3寸(約5~6センチ)下がった所
①安眠
②神門

③合谷(ごうこく)
手の親指の骨と人差し指の骨の交点から少し上の陥凹部

④足三里(あしさんり)
むこうずねの骨の外側を膝から3寸(約5~6センチ)下がった所

⑤気海(きかい)
へその下約3センチ強の所(凹みを確認すること)

症状別のツボ
特に以下の症状が強い場合は各タイプのツボに以下のツボを加えてください
頭痛 頭重 腹が張る 食欲不振 インポテンツ 遺精
●百会、(ひゃくえ)
頭の中央、両耳先を結んだ線上
●印堂(いんどう)
両方の眉毛の間の中央点。眉間
●太陽、(たいよう)
目尻と眉尻の延長線上の交点辺りの陥凹部
●天柱(てんちゅう)
後ろ髪の生え際

風池(ふうち)
後ろ髪の生え際の下で、
首の大きな筋(僧帽筋)の両外側

●中かん(ちゅうかん)
へその上7~8センチの所。
みぞおちとへそのおよそ中間点。
凹みを確認する
●関元(かんげん)
へそ下を親指以外の4本指の幅だけ
(3寸)下がった所


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百会 印堂 太陽  百会 印堂 太陽 安眠  百会 安眠 天柱 風池
期門 中かん 気海 関元 脾ゆ 心ゆ 腎ゆ  内関 神門
合谷  足の三里 太衝 三陰交 太谿

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