性別 = 男性 age = 30to39 メッセージ = はじめまして。*****で鍼灸師をしてます、Kといいます。 先日、ある患者さんから「歯ぎしりは鍼灸で治りますか?」と聞かれました。しかし私の経験や知識からすると直接「歯ぎしり」をとめる治療はできません。その患者さんの咬筋や側頭筋には圧痛がありましたのでそこに鍼とマッサージをし、首や肩などの筋肉をゆるませる程度しかできませんでした。 もし、直接「歯ぎしり」をとめる治療やツボがありましたら、アドバイスをお願いしたいと思います。よろしくお願いします |
こんばんは! ツボ探検隊の松岡です。 実は生憎と「歯ぎしり」だけを主症状として当院に来られた方は居ないのです。 しかし昨年のことですが、「歯ぎしり」の治療というよりも「いびき」と「寝言」に加えて「歯ぎしり」も有る という方がホームページを見た奥様に勧められて来院されました。 奥様は「いびき」を、ご本人は「寝言」を止めたいと希望されましたが、「脈診」により結果的には「いびき止め」のツボと精神神経科治療に使うツボを合わせた形の治療となりました。私どもが云うのも何ですが、意外なほど(?)功を奏してたった3回の治療で完治した「らしい」のです。「らしい」にカギカッコが付いているのはこればっかりは一緒に眠られている奥様の証言を信じるしかないのですが、その奥様が「すっかり静かに毎晩眠っている」と仰られたのです。 「寝言」は子供の頃から有ったと申されましたのに、確かに脈状は変化していましたが、そんな簡単に治るわけ無いでしょう? ・・とこちらの方が疑心暗鬼に成り「こんなに早く治るのは予想外なので、再び始まったら早い目に来て下さい」とお伝えしましたが、どうやら本当にそれっきり治ったらしく年末にはお礼状を添えたお歳暮が来ました。・・・でこの方の場合は結果的に同時に「歯ぎしり」も治ったのです。 (しかし将来もずっと止まっているかどうかは分かりません←←余りにも簡単に治り過ぎたので当方にはまだ疑心暗鬼が残っています。) それでもしも「歯ぎしり」だけを訴えて来られたと仮定すると、この方のように「いびき」「寝言」「歯ぎしり」と「三羽がらす」と言いますか、「睡眠三重苦」が揃わずとも、咬合等の歯科的問題が無い事を確認した後に「いびきのツボ」と同様に内関、神門、印堂、四神総、安眠などの「精神安定のツボ」を使うと思います。どとらも安眠促進効果を持つからです。 それと当院の中国人スタッフに聞きますと中国では「歯ぎしり」特効穴としては「蘭尾」と二白(陽白、四白)を使っているそうです。「蘭尾」とは盲腸の意味で盲腸炎のツボとして有名ですが、四白、陽白を加えて「歯ぎしり」のツボとして効果が有るとされています。胃経ですから、早い話、中国ではお腹の病気って解釈になるんですね。 この「蘭尾」(らんび)の位置ですが、日本と中国で違いますし諸説有るのですが、臨床的には足の三里の下2寸辺りで強い圧痛の有る点を探します。刺入時にしっかりとした鍼感、得気を確認し、そのまま留鍼(置鍼)を20分程度行うそうです。陽白、四白も同じように置くのが良いでしょう。 「歯ぎしり」の原因も必ずしも一つでは無いはずですから、先ず直接的に咬筋を緩める施鍼を行い①「いびきのツボ」(心機能、呼吸力アップのツボ)②「蘭尾」「陽白」「四白」(胃腸機能を整えるツボ)に前記の③精神安定のツボ(精神の過緊張を取るツボ)を用いれば、万全ではないでしょうか? (もしも気心の知れている患者さんでしたら、実験的に治療をそれぞれに分けて行うとその方の病因が推定出来る事に成り、未だ確たる原因が不明の「歯ぎしり」の研究にも成りますね。)
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