★ 眼圧を下げるには? ★

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眼圧が高い場合は合谷にお灸をすえるとよいでしょうか?


早速ながらご質問につきまして:
眼圧が上がるといえば先ず緑内障を考えますが、さてこれはけっこうな難問です。
そもそも眼圧は眼の中の房水が造られる量に比べて排出される量が少ない事で起きる訳で、つまり眼圧とは眼の中の水圧ですよね。
(目の水圧=眼圧が目の奥にある視神経を圧迫して起きる視野欠損が緑内障)
この水圧がどの様なメカニズムでコントロールされているかは現代医学でも詳細が不明ですので、ツボ治療で回復されたというデータは沢山有っても、その治癒に至ったメカニズムもやはり「結果有りき」で正確には不明なのです。(仮説は多数ありますが・・・)
 
お書き成っている「合谷」は確かに目のツボですが、どちらかと言えば目に障害を及ぼしている原因が 内臓疾患などの体内要因よりも眼精疲労など眼そのものだったり、肩や首の凝りなど比較的表層にある場合(軽症)によく功を奏するツボだと思います。 
しかし眼圧異常は上記と異なり、内部要因による比重が高い可能性が有りますので、ツボは「合谷」よりももっと全身に波及効果を持つ目のツボを用います。
つまり、眼圧異常は眼の病気と云うよりも全身病としての視点が必要だと思われます。内因から起きた可能性を持つ眼の症状を治すとされているのは、肝経、胆経のツボです。肝経、胆経と云いましても直接、肝臓や胆嚢などの臓器が病んでいると考えるのでは無く、「肝臓」「胆嚢」を包み込んだ身体の活動ルートという感じで捉えて下さい。もちろん身体は一つですから、何処かが不具合を起こすとマイナス要因が波及して、他の臓器にも負の連鎖を起こしますので、臨床では他の臓器のツボチェックも大いに必要になってきます。
それで文字通りの「光明」(胆経)という目専用のツボや物理的条件が等しい足の「合谷」とも言うべき足の親指と次の指との骨間の「太衝」(肝経)などのツボの方が相応しいのです。 
名鍼灸師として知られた故:長野潔氏は同じ胆経の「光明」よりも僅かに下がった手前にある陽輔」と、血液循環を促すツボで有名なその名も「血海」のツボの二つのツボで緑内障の眼圧を下げることを発見されました。
(ツボを発見された長野氏自身も何故眼圧が下がるのか判らなかった様です。逆にこの二つのツボがそもそも持つとされる特有の効果から眼圧異常のメカニズムを考察する事も出来ます)

実際には何度も同じ場所ばかりお灸をすると、火傷が大きくなりますので、難しい症状の場合は複数のツボグループを交互に行うのが無難です。
 

そこで
①昔からの眼のツボである「光明」「太衝」 と
②「陽輔」「血海」の2グループのお灸をワンクール1週間ずつ試して下さい。
どちらもお灸で行い、せんねん灸の場合は皮膚に当たる熱エリアが大きいので、ひときわ火傷にはご注意下さい。
ちなみにお灸の後に出来た「かさぶた」は剥がさないようにして下さい。
体幹のツボは用いないのですから一つのツボを少なくとも10壮以上はすえて効果を高めます。特に「陽甫」は30壮位はすえて下さい。
 
ちなみに「光明」は「絡穴」と云う、特別な働きを持つツボです。
これは高速道路で云うと「インターチェンジ」で他の経ルートに「通じている、連絡しているツボ」です。「光明」は陽エリア胆経ルート上のツボですがここで陰エリアの「肝経ルート」に接続しています。
もう一つの「陽輔」は同じ胆経で、「光明」の直ぐ前下に有るツボですが、こちらは「経穴」と云ってこの胆経ルート全体の疎通を促すツボとされ、特に身体の熱バランスを整えるツボとして用いられる場合が多いのです。
「太衝」も同じく非常に重要なツボで、肝臓病全般、精神疾患(主にうつ病)、内臓疾患全般に用いるツボです。特に遺伝的要素から日本人の病気には欠かせないツボです。
「光明」「陽輔」は主に眼疾患に用いるわけですが、「太衝」は眼疾患のみならず鍼灸治療では最も多く用いるツボの一つです。
「太衝」と「行間」は同じルート上のツボです。押してみて実際に痛みの強い方を優先して下さい。
 
結果をご報告いただけると幸いです。

①グループ
太衝(たいしょう)
足親指と人差し指の間をたどり、二つの骨が出会う所

行間(こうかん)
足の親指と人差し指の間の付け根の陥凹部

光明(こうめい)
外くるぶしの上5寸 腓骨の前ふち

②グループ
血海(けっかい)
膝蓋骨(膝小僧)の内縁から上がった約2寸の所。
膝を曲げてツボを取ります。

■陽輔(ようほ)  
外くるぶしの上4寸 腓骨前の凹み。光明の少し下前


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