愛犬家の皆様に犬のツボをご紹介します




このサイトを開いて早や7年に成ってしまいましたが、その間途切れることなくコンスタントに頂くご質問が2つあります。一つは「鍼灸師に成りたいと思っているのですが・・・」で始まるご質問の数々です。

私が鍼灸を学び始めた1960年代後半では、むしろ「(五体満足な身体を持っていながら)どうして鍼灸なんか始めたんですか?」と軽い侮蔑の臭気を含んだ呆れ顔でよく尋ねられたものでした。 
以来およそ三十年の時の流れはどうやら鍼灸にとっては稀かながらも名誉回復への道程であったようで、昨今ではむしろ小さな羨望の香りをその注がれる眼差しから感じる事もしばしば・・・というまでにツボ(鍼灸)をめぐる環境が変わって来ています。 
つまり「何故鍼灸師に何ぞ成ったのか?」 から 「どうして仕事に出来たのですか?」・・に発せられる質問も時代と共にすっかり様変わりした訳で 鍼灸の仕事は時を経ても全く同じなのにおかしなものです。
それだけ今の日本社会が個人に目に見えるスキルを要求するシビアな時代に突入しているということですから心中はちょっと複雑ですが。

そして二つ目に頻繁に頂くのが「犬のツボを教えて下さい」或いは「我が家の犬の病気をツボで治して欲しい」云々の犬のツボ療法について尋ねるメールです。
しかしこれも又時代を反映していると言わねばなりません。
昔は犬のツボについてなんぞ聞かれた記憶はまず無いんですね。
かつての日本では犬はもっぱら屋外で番犬用として飼っている家庭がほとんどで、単に愛玩《ペット)というよりも何がしかのしっかりした目的の為に飼われていたように思います。
家族の一員と言うよりも使用人(?)の感覚だったのではないでしょうか。  
ところが何時の間にか時代が変わり、長年戸外で「門番」をしていた犬たちが立派な家族の一員と成って座敷に上がり御茶の間に君臨していたのです。 
動物種の「犬」から家族の一人「ワンちゃん」への地位向上は、鍼灸師への世間の眼差しの変化などとうてい足元にも及ばない飛躍的なアップグレード(!)と言わねば成りませんね。

厄介な事に人間は自分一人の為だけに生きていたのでは心が痩せてしまうようです。
「自分の存在を必要とする誰か・・」「心から守り慈しむ、いたいけな存在」・・・そのような「自分を頼って来る身近な弱者」の存在がどうやら我々の自意識(自尊心)を安定させ自己の肯定を容易にし、心豊かに生きる為には必要らしいのです。 
この様な存在を一説に「幻の子供」と呼んでいます。
現在の日本では近年の少子化に伴い歴史的にも珍しい人口構成の急激な高齢化が進んでいます。
 家庭で子供の数が減る事、独身世帯が増える事、老人だけの世帯が増える事等々現代の日本で起こっている家族構成の変化のどれもこれもが、この「幻の子供」への強い需要を生む要因に成っていると考えられます。
 つまり高度成長を終えた後に訪れた少子化に伴う急速な社会構造の変化こそが「幻の子供」の代表格としての犬の社会的地位を鍼灸師を妬ませるほど(笑)急速に向上させ、同時に過去には無かった「犬のツボ治療」へのご質問の急増と相成っていると思われます。 
” 恐るべし少子化!” ってことでしょうか。 
 早い話、人口の自然増が続いている国々〔主に発展途上国)では「本物の子供」がいっぱい居る訳ですから、一般の人にわざわざ手間もお金もかかる「幻の子供」=ペットは請われていないようです。
 ということでツボの本場中国ではペット犬の飼育はど日本ほどには行われていませんから、牛や豚など家畜の鍼灸治療は有っても愛玩用ペットのツボ治療への需要は今のところはまだ少ないようです。(中国も急増することは時間の問題だと思いますが・・。)

※ツボ探険隊HPへのご要望から犬のツボのご紹介に至りましたが、実際に私どもの治療院では犬の治療は行っていませんので、このサイトでは愛犬家の皆様が何とかご自分で出来る方法をお伝えしたいと思います。
又ご紹介する犬のツボは猫は無論のこと、哺乳動物なら生活環境や食餌の違い等によって罹りやすい病気が違うだけで治療のツボはほぼ同じですから、他の動物の治療にも応用して頂ければ幸いです。
 このページは主恩動物病院(台湾)のご協力を頂きました。多謝!!
犬のツボ図絵 >疾病別治療のツボ

ツボ探険隊