名前 = REN 性別 = 女性 age = 20to29 メッセージ = 鍼灸の専門学校に進もうと考えている大学生です。中学生のころから中国武術をしていて、ツボや気の流れといったことに興味がありました。去年の春、練習中に右膝前十字靭帯と内側半月板を損傷し、これをきっかけに様々な出会いや思いがあり、鍼灸師になることを決意しました。 鍼治療の即効性を活かし、国境無き医師団のようなことができないかと考えていますがどう思われますか。また、発展途上国で鍼灸師として現地の医療に携わっている日本人の方はいるのでしょうか。 |
こんばんは! 中国武術を行っているのでしたら、針を持った時の意識の集中が容易かも知れませんね。 さて発展途上国においての鍼灸ですが、実は鍼灸のもう一つの重要な側面として、病気を治す際のコストの低さが上げられます。同じように病気を治しても現代医学に比べると高価な医薬品を使いませんから安く済むのです。鍼灸は確かに治療時に多少の痛みは伴いますがコストパフォーマンスの高さで群を抜いている治療法なのです。それと病気治療と同時に体力増強のツボ刺激も行えば、病気に掛かりにくい抵抗力を持った身体に変わっていきます。この辺が現代医学の主に薬物療法と大きく違うところです。 特に抗生物質を多用すれば免疫力が損なわれ、むしろ抵抗力の弱い体質に至ってしまう事は誰もが知っていますね。昨今話題になっているMRSAなどの耐性菌に勝てる可能性を持つのも鍼灸ではないかと思っているほどです。 (MRSA感染症治療は今後の鍼灸研究の大きな課題であると常日頃から強く思っています)と言うことを総合しますと、開発途上国など経済的理由で十分な医療を受けられない地域には鍼灸は最も相応しい治療法の様に思います。消毒さえしっかりすれば何度も使い回せる鍼で、交通事故などの怪我、早期ガンなど救急に手術を必要とする疾患を除くとまあだいたいの日常的な病気は治せますからね。 それも多くの病気は現代医学の医薬品を使うよりも速く治せるのが特徴です。(もっともその為には鍼灸師自身の技術研鑽が必須ですが・・・。) その意味で鍼灸は他のカイロプラクティック、整体などの代替医療とは違った医学です。要するに消毒用のアルコールと綿花さえ十分に有れば、針は同じモノを何度も使うので経費が確実に安いです。実際に中国では「使い捨て鍼」は一般には使われていません。その事による感染例もまず聞いたことが無いそうです。針は単なる金属棒であり、表面だけで消毒が容易ですが、ストロー状の注射針では仕組みが全く違い消毒が困難です。身体に刺す金属針と言うことでどうしても感染危険度が同じに思われてしまう様です。 ※伝染病、感染症も相当数は鍼灸で十分治せます。私自身はまだ治療経験が有りませんが実際に東南アジアで劇症肝炎に罹った日本人が当地の鍼灸師により九死に一生を得た話も聞きます。 その上にここが一番大事なことで上記の内容と重複しますが、鍼で治すことは、薬という異物(第三者)を介入させ薬理作用に頼る訳ではなく単に針で刺激して自然治癒力が正しく働いていない身体を揺さぶっては奮い起こして治す訳ですから、とどのつまりは自分自身の治癒力(修復力)を強く働かせる、より能動的な「自前治癒」に他なりません。この様な治療方法では免疫力も「増強」する事はあっても「減退」する事はまず有りません。 つまり鍼灸で病気を治すことは、単にその時の病が「治る」だけではなく、継続すると身体が徐々に抵抗力を増して丈夫になっていく大きなメリットが有ります。自分自身の自然治癒力をフルに使って病気を治す良い「クセ」が身体に付いて来るんですよ。(免疫力向上)この事も衛生環境の悪い途上国の人たちのニーズにピッタリ合致します。その為には貴方には身体全体を動かす総合的な鍼灸治療法を学んで欲しいですね。 (※鍼灸も色々有って実は本格的な病気治療ではなく単に局所だけの血行を良くするとかコリを取るなどの身体の一部にしか効果を持たない手法しか学んでいない鍼灸師も多いのです) ※ネパールで鍼灸ボランティア活動を行っている日本人女性「畑美奈栄」さんを紹介しているページです。 ご参考にして下さい。 http://www.mirc.gr.jp/yomogi/info.html http://www.big.or.jp/~jns/event/2001events/avc-kere6.html http://www.mirc.gr.jp/yomogi/news/20000317/ 勉強は大変ですが、是非頑張って下さい!! |
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