揚元得 教授の治療室にて

肥満治療 (この病院の目玉治療!)
肥満治療は目標体重になるまでは原則土日以外は毎日鍼に通わないといけないそうですが、その変わり毎日お腹に多くの鍼を刺す訳ですから食事制限をしなくでも痩せるそうです。今や中国の大都市なら何処でも「減肥」(やせる治療)の派手な看板が目に付く時代となりましたが、食事制限もなく健康も損なわずに痩せることは中国でも非常に難しいのが現実です。その点で揚先生の鍼治療は食事制限もなく健康に成りながら「やせる」ということで多くの肥満さん患者さん(?)で溢れていました。実際に当日来られていた10人以上の肥満患者さん達にランダムに聞いて貰いましたがやせるスピードは個々で違っていても全員が「やせた」と話してくれました。半年で10キロ痩せたと言う方も何人か居ました。
ストレス性「薄毛」の治療
「ストレス性」と言うことで「太陽」や「人堂」などの「精神疾患」治療のツボが加えられています。
腰椎椎間板ヘルニア治療
中国ではどんな椎間板ヘルニアでも手術をすることは無いそうです。昔から鍼灸、整骨など手術以外の手段で完治する疾患という認識を誰もが持っているからです。椎間板ヘルニアは中国語では「腰脱」と言います
子供の学習障害(LD~軽い知的障害)治療
脳性麻痺後遺症、知的障害、多動症等々とにかく小児患者さんが多いのも中国の鍼灸現場の特徴です。(一人っ子政策で欲しくてもたった1人しか持てない状況での子供へ注がれる愛情は日本の比ではない感じです)そして付き添ってきているご家族の話から目を見張る程の大きな効果を発揮している事に驚かされます。
舌先への鍼治療
左手で木片を持ち舌を押さえて右手で鍼を刺します。この方はインシュリン依存性の糖尿病の患者さんです。鍼を刺す痛みは無かったそうです。舌先に小さなトゲが刺さったと想像してみて下さい。どんなにか痛いことでしょう。凄い技術です。
穴位注射
偏食の子供に「足の三里」ツボへ総合ビタミン剤の「穴位注射」をしています。「足の三里」のツボ効果と液剤との相乗効果を狙っています。中国では鍼灸は医師の資格が無いと行えないのでごく普通にツボへの注射液投入が行われています。





顔面神経麻痺(ベル麻痺)
顔面神経麻痺も中国の鍼灸施設で非常に多い疾患です。この疾患には鍼治療が一番良く効くというのがコモンセンスとなっているのです。 左の老婦人は治療を開始したばかりで(向かって)右顔面の麻痺が未だ強い状態ですが、男性はほとんど回復していますから間もなく治療終了だそうです。
脳性麻痺
2才位に見えたのですが4才とのことでした。連れてきていたお婆さんに効果について伺いましたが、治療開始後3ヶ月だそうですが鍼治療で食物を飲み込む事(嚥下)が可能となったので体重が増え泣き声が大きくなったそうです。先生によると最初は身体もほとんど動かせず蚊の泣き声のような小さなうめき声しか出なかったのが、今や大声で泣き手足も活発に動かして暴れるなど鍼はむしろ打ち難くなったそうです。「足三里」「曲池」などにはやはり栄養剤の「穴位注射」をしていました。  百会 天柱 風池 人迎 簾泉 身柱 腎ゆ  曲池 手三里 中かん 足三里  三陰交 などに素早く浅く鍼を打っていました。(=散鍼) 穴位注射も含めて全体で20秒程でアットいう間に治療終了です。その変わり通院は毎日なので開始後3ヶ月と言いましても60回以上は鍼を受けている事になります。この治療回数を知って「たった3ヶ月でそんなに回復するかなぁ?」の疑問はかなり解消した次第。

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