黄文述院長は地元瀋陽中医薬大学出身の医師です。瀋陽市は「奉天」という名でかつて日本が占領統治していた元満州国の首都で現在も人口約700万人で中国一の重工業地帯の中心都市でもあります。前記の理由で「中国残留孤児」が最も多い地域の為に日本総領事館が置かれています。(例の北朝鮮人亡命事件が有った所です) 黄医師も大学では第二外国語で日本語を選択されていたとかで珍しく日本語も話されます。大変に研究熱心な先生で一般的な鍼灸治療以外に火針や推掌(すいな)など多彩な治療手段を駆使して難病治療に取り組んでいます。歓迎の垂れ幕まで作って出迎えて下さったばかりか積極的な治療の公開、事細かな解説等々大変に丁寧な応対を頂きました。感謝に堪えません。


院長、看護婦さん、患者さん共々診療所の玄関口で撮影。看板以上に目立つように腰脱 椎間板ヘルニア、脳血栓と得意とする疾病名が書かれています。やはり日本では見慣れない看板です。 院長の黄文述医師です。写りの悪い写真で恐縮ですが見るからに温厚で優しい雰囲気はお伝えできるのではないでしょうか。
まず最初に訪れた患者さんに行ったのはこの「針刀」療法です。 この針刀治療を受ける腰痛の患者さんです。(勇気有るなぁ~)
今回の旅は必ず名医の治療を体験をする事を目標としていたのですが、翌早朝には帰国便に乗らねば成らず、この針刀だけは体験を断念しました。(ほっ!
皮膚の消毒の後、おもむろに針が刺されます。刺す時の痛みは余り無いそうです。問題箇所を針で丁寧に修復します。ま早い話これは針を使った手術ですね。 2本の針刀が刺され数分間は留針状態にします。刺された周辺は発赤しています。
針刀を抜いた後は再び慎重に消毒され傷薬が塗られて養生が計られます。なかなか治り難い慢性的な腰痛にはこの治療法が相応しいとのことです。 次は前立腺肥大の患者さんで、この疾病に特効がある「火針」治療が採られました。先に電気火針治療を紹介しましたが、ここでは昔ながらの方法による「火針」です。針先をアルコールランプで真赤になるまで熱します。
下腹部の前立腺部分のツボを刺激します。熱くなった針先を一瞬皮膚に接触させるだけのゼロコンマ数秒のあっという間の治療です。ですから医師の正しいツボを採る能力が火針効果を決定します。 男性器疾患全般に対応した太股のツボにも刺激しています。中国では前立腺肥大患者は先ず鍼灸で治すのが一般的だそうです。
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