高山病について 高地で大気圧が下がり、酸素不足が起こす病気ですが、具体的には毛細血管から周りの組織に血液中の水分が漏れて、浮腫が起きることが問題です。 脳に漏れた水がたまると脳浮腫、肺にたまると肺浮腫を起こします。 肺浮腫は呼吸困難、脳浮腫では頭痛に始まって錯乱、昏睡と進み、軽症からでも数時間で死に至る状態まで、一気に進行する危険な病気です 我々一行は服用薬、酸素ボンベを十分に携行して、高山病への準備は整えていたつもりでしたが、これらは実際にはまったく役立たず、症状を軽減できたのは鍼だけだったのです。 その為にスタッフ全員が鍼を受けながらの奉仕活動となりました。 高山病は就寝中に悪化し、そのまま寝床で亡くなる人も少なくないと知り、全員が夜も鍼を刺したままの状態で就寝したのです。 実はスタッフ一行には、西洋医学の医師など、鍼治療を受けた経験の無い、鍼の効果をよく知らない者の方が多かったのです。 しかし、身をもって知った経験から、無医村地区の医療援助には、鍼灸師の養成など、鍼治療の普及活動こそが、現実的で有意義であると知ったそうです。 高山病で、最も症状の重かったスタッフの一人は、苦しんだ挙句、本当に心臓が止まってしまいました。 ただ一人、高山病の症状が軽かった鍼スタッフのリーダー:宋建華医師が救急のツボに次々と強刺激の鍼を打つも、蘇生せず、皆が諦めかけた時、最後の望みを掛けて「神門」(心経)に強い鍼を打った途端に、再び心臓が動き始め、彼は生き返ったのです。 同様に他の多くのスタッフも半死半生の状態でしたので、残念ながら、一行は滞在予定時間を繰り上げて、山を降りざるを得なかったのです。 恐るべし高山病!と思い知った活動記録ともなったのです。 |
高山病に苦しむスタッフたち~鍼を刺していないと呼吸困難が起き、意識が混迷するのです。 |
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