免疫力とは? 免疫力を上げる方法について考えてみる
もはや、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐことは不可能でしょう。
対応ワクチン、薬品の開発を急いでほしいところですが、それは、まだまだ先の事。
もはや共存するしか無い状況です。当面は、私たちの自己免疫で対抗するしかありません。
今更ながらですが、免疫について、復習しながら、
更にセルフケアでできる対応策を考えてみたいと思います。では、では!
私たちを病いから守ってくれる「免疫」を大きく分けると、「自然免疫」と「獲得免疫」があります。
私は、手相診セミナーでも「手相は、ほぼ遺伝です」とよく言いますが、
やはり、「自然免疫」も、ほぼ生まれつきです。
すぐに風邪を引いたり、お腹を下したり、何かと病気に罹りやすい子もいれば、
風邪を一生知らないまま、老衰で亡くなる人もいます。
「自然免疫」は、主に血液中の白血球内の好中球、マクロファージ(単球)、
樹状細胞などの病原体を包み込んで殺す、貪食細胞の働きによるものです。
私とお付き合いの長い方々はご存知ですが、
かなり前、私は、指先から一滴の血液を採取して、
1万6千倍の倍率の顕微鏡で血液を見て、
10年間ほどやりましたので、述べ2000人ほどの人たちの血液を観察しました。
時には、親子、孫、三世代、一家全員の血液もよく観察しました。
すると、血のつながった母子では、赤血球や白血球などの血球の形がそっくりだったり、
まじめに勉強しても成績が良くない子の多くは異様に大きな血小板を持っていたり、
と、とても興味深い結果を観察できました。
特に白血球の数と形と動き(活動性)は、その人の免疫力を決定付けますから、
血液観察では、非常に大事なポイントです。
上の写真は、20代女性(大学生)の単球(マクロファージ)です。
自然免疫の中でも最も力の強い単球は、単核細胞で、写真でも核がよく写っています。
指先からわずかしか採血しないので、単球が見えることはめったに無いのです。免疫力の強い人の抹消血です。
私の血液診断は、指先から採血した血液を、すぐにプレパラートに乗せて顕微鏡で視ながら、
テレビモニターで写します。
白血球が、今まさに、細菌を覆って食い殺してるところを見ることも珍しくありませんでした。
テレビゲームの”パックマン”そのまんまの光景です。
白血球中の好中球は、別名、貪食細胞とも言い、血液中の細菌やゴミ、微生物を食い殺しながら動き回ります。
白血球の動きを見ると、その人が、頑健な人かどうか、分かります。
少しくらい腐ったものを食べてもお腹を壊さないような人は、こんな白血球を持っています。
パワフルな白血球は、血漿部分に存在する異物を食い尽くすので、血漿がすっきりキレイです。
見るからにサラサラ血液そのものです。
逆に末梢血液中に白血球の姿が見えない人の血漿部分は、
白いコレステロールの固まりや、微生物の死骸など、ゴミだらけで、
みるからに汚れています。
こんな血液の持ち主は、免疫力が弱く、
病気に罹りやすくなることは容易に想像が付きます。
実は、以前の私自身の血液は余りに汚れていて、末梢の血液からは白血球は探しても見えず、
その後、私に血液診断を教えてくれた張景隆教授が、眼をそむけるほどでした。
すでに悪性腫瘍が身体に存在している可能性が高いと言われました。
その時のカルテとその10年後に手指鍼で良くなった血液画像のカルテを載せています。
上が2000年、下が2010年です。2000年当時は、週一回は、鍼治療を受けていたのに非常に悪かったのです。
思い切って手指鍼に代えてみると、慢性的な疲労感が無くなり、随分と体調が良くなったので、
これは絶対に血液も良くなっているはず!
と、10年後、中国・上海で、また採血して貰ったんです。
それが、画像下の診断表です。何度もセミナーでお話していますが、
私が体鍼をきっぱり止めて、手指鍼に転向したきっかけになった、
ちょっとオーバーに言うと、私の人生最大の出来事でした!
話が、私事に逸れましたが、次は「獲得免疫」について、です。これは、文字通り、生きてきた人生で獲得した免疫です。
日常会話でも、苦痛に慣れてしまった時などに、「免疫が付いた」と表現したりしますが、あれが、「獲得免疫」になります。
「獲得免疫」では、「抗体」がメインキャラクターです。「免疫が付いた」とは、「抗体」ができたという意味になります。
ウイルスや細菌との戦いに打ち勝った証として「抗体」ができると、それらに対しての対抗力=免疫力が付きます。
酸素を運ぶ役割の赤血球の型である、A・B・O・ABは、血液型占いにも使われたりして、なじみ深い一方で、
細菌やウイルスなどの病原体と戦う仕事の白血球の血液型(HLA)は、16000種もあって、そんなに簡単ではありません。
それは、人類が東西南北、地球上の実に多様な環境で生きており、それぞれの地域に住む”悪モノ”と戦って生き残って来たからです。
その土地土地に住む病原体などの生命を脅かす”悪モノ”の種類と数が地域によって余りにも違うために、
悪者退治を使命とする、白血球の血液型(HLA)は、16000種にもなったのでしょう。
素直に考えてみても、アフリカに住む勇壮なケニア人と私とが同じ免疫のスキルを持っているとは思えません。
彼らの日常的な食事を私が食べると、おそらくお腹をこわす可能性は非常に高いはずです。
つまり、私の白血球は、彼らが長い民族の歴史から得た「獲得免疫」を持っていないからです。
まとめると、
免疫力を司るのは、血液中の白血球であり、その数、形や菌を殺す能力に個人差があること。
白血球の中には、生まれつき持っている「自然免疫」細胞と後天的に得た「獲得免疫」細胞があり、
両方が力を合わせて、私たちの生存をサポートしてくれていること。
今回の新型コロナウイルスは、“新型”というくらいで、誰もが「獲得免疫」~「抗体」を持っていないのですから、
ここは、「自然免疫」を高めるしか無いのです。
繰り返しますが、「自然免疫」は、生まれつき高い人がいます。
そういう人は、生まれつき白血球が活発に動く元気な血液を持っています。
でも、私が生物顕微鏡を通して血液をこの目で何度も観察してきたことは、白血球も含めて、血液像は、変わるという事でした。
血液像が、変わる要素は、食生活、ストレス、運動も含めた生活習慣などかと思いますが、
少なくとも、白血球の活動性には、極端な菜食は良く無いです。
「これぞ、素晴らしい白血球だ」と、モニター上の白血球をカメラで撮らせてもらった方がいました。
非常によく動き、血漿部分に浮遊するごみや微生物をどんどん食べていました。
その人が、ヨガ留学で3か月間インドに行きました。
戻って来て、「3か月間、無農薬の野菜以外は、肉も魚も一切、食べていない」
「さあ、どんだけ血液がサラサラになったか見てちょうだい」と採血を促されました。
私も、好奇心でワクワクしながら、プレパラートに血液を乗せて、顕微鏡下に置き、いざテレビモニターに目をやると、
白血球は、見えません。血漿部分もゴミだらけです。
三か月前の彼女の血液とは段違いに、免疫力の衰えた血液になっていました。
血小板が不要に活性化しており、肝機能の衰弱を意味していました。
20年近く前の事ですが、ショックで声を失った彼女の様子は忘れられません。
最近になって、ビーガン(菜食主義者)が短命だとの情報が出ていますが、20年前は、そうでは無かったので、
菜食で血液が汚れることにすごく驚きました。
血液診断は、かなり長くやっていたので書き出すとキリがありませんから、「自然免疫」を高めるには、どうしたら良いのか?
血液診断を行っていた当時の記憶をたどって、免疫力の強い血液になるには?
について、思いつくままに記します。
(写真の色目の違いは、対象物を見やすくするためにレンズフィルターを替えているからです)
真ん中の不定形ものは、未分化のゴミです
菜食主義者の多くは、貧血です。当然ながら、血液が少ないのですから、免疫を司る白血球も少ないです。
(牛、豚、鶏は、肥料にホルモン剤や薬品を混ぜていないヤマギシがお勧め)
白く結晶化したコレステロール レモン状赤血球=大腸疾患の人に多い。未分化たんぱく質を含んだ赤血球
上の血漿部分にゴミの多い血液は、菜食中心女性の血液です。
貧血気味で赤血球の大きさが不均一、不定形です。白血球の働きが悪いので、血漿部分が汚れており
血液粘度が高くなっています。従って、免疫力が弱い。
肉食過多だと、血漿部分に未分化油性ゴミが増えて、これもまた血液粘度が高まります。
② 血小板の製造に関わる肝機能を落とさないように努めること
血小板が異常増殖すると、血漿部分の血液粘度を高め、赤血球の動きが阻害されるので、血液は酸素不足になります。
暴飲暴食、飲酒、過剰な医薬品、睡眠不足、ストレスを減らす(面倒な物事は割り切って処理してしまう)
左は、黒い血小板が手を広げたように広がっている血液
血漿部分に黒い網がかかったように見えます。
肝機能低下、悪性腫瘍存在の可能性あり。
悪性腫瘍のある人の血漿部分は、血小板が異常反応して
蜘蛛の巣のように張りめぐらされています。
これを「血小板の針状体」現象と呼び、自己免疫の崩壊を示しています。
③ 体温を下げない、身体(腹)を温めること。~血流を良くする、運動、体操、温灸などを取り入れてください。
免疫を司る白血球に自在に仕事をさせるには、白血球を含む血液が、まんべんなく速やかに身体中をパトロールしている必要があります。
冷えは血管を収縮させて、血流を悪くします。逆に温灸などで温めると急速に血流が改善します。
十分な栄養と酸素を取り入れた健康な臓器なら、本来の仕事をする白血球が骨髄で作られるはずですから、
①
②の後は、身体を温める方策を駆使してください。
手の毛細血管は、非常に小さな面積ながら、手は、身体中で最も縦横無尽に動かせる組織ですから、
血管や神経も端々まで縦横に密集して張りめぐらされています。
手を十分に温めて、手の血流から改善してゆくと、あっという間に全身の血流に良い変化が現れます。
さらに、人間にとって、手は仕事をするために存在するようなものですから、作業をするにも傷つきにくいように、
手のひらの皮膚は、他の身体の皮膚と構造が違って少し分厚くなっています。
温灸を繰り返しても火傷をしにくい特徴があります。
手は視線のすぐ前にあり、全貌を自分で確認しながら温灸がでできる上に、
適切に行えば、毎日行っても火傷をしない唯一の場所でもあります。
体温を上げる方法は、前述しましたように食事内容や運動なども無論有効ですが、
外部から体に的確に熱を加えるのに最も安全で有効なのは、脳との関連が深く、
血管や神経が密集している手のひらだろうと思われます。
血流を促すには、手の中でも最も毛細血管が密集している指先を刺激するのが有効です。
左図の手の血管イメージ図の●の位置に洗濯バサミをはさんでください。 右図は、温灸のポイントです。
●以外にも、手のひらの細かいシワの多い所に温灸をしてください。
その部分は、皮下の毛細血管の流れが悪くて、皮下の筋肉が痩せてしまい、シワが出来ている、
つまり、手のひらの中でも血流がひときわ悪いところだからです。
※2004年、私は上海人民解放軍455病院血液内科の張景隆教授の所で血液診断のノウハウを学び、超顕微鏡血液診断試験に合格しています。
当時は、私が始めての日本人合格者とのことでした。下の写真は、その時の証書です。
※無断コピーを禁じます 松岡佳余子