★腰椎椎間板ヘルニア★

名前 = ZOU
性別 = 男性
age = 40to49

メッセージ =
今年の4-5月腰椎椎間板ヘルニアで入院しました.ブロック注射.牽引.低周波.ストレッチ.で歩けるようになり.退院しましたが右側のおしりと.くるぶし.が少し痛む時があります.あと右側くるぶしあたりがしびれています.先生はしびれはすぐにわ取れないかもしれないと言うことでした.近所のツボ療法をしている所では治ると言っています。今は病院でリハビリ.家でオムロンの低周波治療器で大杼―委陽 復溜―復溜 と言うところを治療しています。
 ? ヘルニアの根治的療法になりますか ? しびれ.痛みは取れますか ?何かいい治療法ありませんか



こんにちは!
ツボ探検隊の松岡です。
入院治療の牽引&ブロック麻酔の是非については事前にヘルニアの状態を拝見していないので一概には言えませんが、むしろそのような治療を行ったことで病態を悪化させているケース(医源性ヘルニアと呼んでいます)も多いのです。
とにかく初期ヘルニア治療の最善策は「安静」に尽きると思っています。
この時期に牽引や麻酔で痛みを人為的に取ると安静を怠りますので、かえって物理的な椎間板の突出を過度に誘発します。頂いたメールからだけですが、右足のしびれなどからその様な状態に陥っているのではと危惧いたしましたまた手術を受けた方の椎間板ヘルニアは鍼灸でも非常に治し難いのです。(つまり、病の質を悪くし持病化しやすい)

お隣の中国でもやはり椎間板ヘルニア(中国では腰脱症と言います)はよく有る疾患です。もちろん中国にも整形外科病院は多数有りますが、しかし整形外科で牽引したりブロック麻酔、手術をして治す疾患ではなく鍼灸や整骨術などで治す病気というのが常識に成っています。むしろそれでより早く治っています。たまさか西洋好きが高じて整形外科に掛かる人も出るらしいのですが、なかなか治らないので結局は従来の治療に戻ってくるそうです。つまり中国では同じヘルニアでも整形外科で行われている様な治療を選択しない事でより素早く治り、長々と持病化させていない事を日本の方々に知って頂きたいのです。

実を言いますと椎間板ヘルニアで来院される方のMRI所見と実際の腰痛など付随症状の程度は余り一致していません。これは症状の軽重が必ずしも物理的な椎間板の突出レベルだけの問題では無いことを示唆しています。私は欧米人(白人)の患者さんの治療も行っていますが、日本人の筋肉は彼らとは相当に違います。外国の選手と競うスポーツを行っている人なら察しがつくと思いますが、単位面積当たりの筋力が違うとでも言いますか彼らの筋肉の方が同じ量ならば強くて頑丈です。
現在日本の整形外科など医療機関で行っている椎間板ヘルニア治療は、それが開発された現代西洋医学の研究基盤と成った人種に対しては、そのままで良いかも知れませんが筋力が彼らよりも遥かに劣る日本人でははっきり言って最善策とは思えません。

要は例え椎間板の突出だけを強制的に治めても周囲の筋肉の状態を改善しないと腰の不具合はなかなか治らないのです。むしろ筋肉や腱が健康な力、弾力を失った事が椎間板ヘルニアを起こした発端だと言えるのですから却って深刻化させる例に事欠きません。発端が腰の周辺事情から来ているからこそ実は鍼で治すことが出来るのです。鍼灸治療により筋レベルが上がることで背骨を束ねサポートする筋本来の働きが機能し始め、椎間板をサイドから徐々に元の位置に戻して行くのです。一回の鍼治療でも背骨が動いて変化する様子は驚くばかりです。この様に先ず筋肉や腱の状態を正すことで背骨が容易に変化する事実を知っていれば、現在の椎間板ヘルニアに於ける整形外科治療よりも中国式に鍼灸や整骨で治す方がリスクが少なく合理的で有ることが分かります。

 それから足腰のツボ:大杼・委陽・復溜なども行わないよりは良いですが、損傷部位がはっきりしている訳ですから所詮は「外堀」を掘るツボ治療で、「本丸」の現にヘルニアを起こしている腰椎椎間板患部際の筋肉に直接に針を行って骨を動かさないと椎間板は元の位置に戻りませんから完治は困難でしょう。「本丸」を攻めた後で上記の「外堀」のツボ刺激を加えるのが常道です。(昨今急増している椎間板ヘルニアをどうしても治したくて鍼灸学校に入学する整体師や整骨師が増えていると聞いています)
 
細い針を問題の椎間側の筋肉に向けて打ち、針を持った指で患部と針の摩擦レベルを感知しながら、針を適宜筋肉の異常レベルに応じた操作を行い、正しい健康な姿(適切な柔軟性と反発力:弾性を持つ)に整えていきます。すると人間本来の正しい有るべき姿に戻ろうとする力(自然治癒力)が働き始めて、ついには突出した椎間板が元の位置・形に戻るのです。
骨格部の細胞は分裂・再生活動も旺盛ですので、相当にひどい状態からでも意外なほど早く復帰変化します。
例えばボキッと二つに折れた骨でも一ヶ月もあれば折れた骨の両端から新たな骨が造られて、ちゃんと元につながる事からも骨の持つ再生力の凄さがお分かり頂けるかと思います。この骨細胞自らが持つ強いエネルギーを利用しない手はありません。 
ということで、
出来れば「口コミ」ででも椎間板ヘルニア治療の上手い鍼灸師を探して頂き、鍼治療を受けられる事をお勧めします。そうすれば座骨神経の圧迫(右足のしびれ)も間もなく解消されるでしょう。
鍼灸で治すのは薬剤で内臓に負担を掛けず、針一本分の面積(針の太さ)の圧力(G)が患部に加わるだけですから、カイロや指圧、整体のように大きな外力も加えないので骨格に負荷を掛けません。この為に高齢でも骨粗鬆症の老人でも鍼治療は安全なのです。つまり糸のように細い鍼を使って病気を治す治療は最も小さなエネルギーで大きな自然治癒力を喚起する、非常に合理的な治療法だと思いませんか?

※しかし鍼灸師の技術格差は天と地ほども有るので事前に電話で椎間板ヘルニア患者を平均何回で治しているか尋ねる事が絶対に必要です。もちろん程度にも因りますが、整形外科に掛からず(椎間板に人為的負荷が余計に掛かり、自己修復力が弱くなる)、週に2回程度の鍼治療で完治まで長くとも4ヶ月以内の治療院を探して下さい。

※HP掲載に当たり、お送りしたメールに説明を加えました。
 


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